女子をこじらせて
「女子をこじらせて」のおすすめレビュー
故・雨宮まみさんが惚れ込んだ女子プロレスラー・里村明衣子の「カッコよさ」とは?
『「かっこいい」の鍛え方 女子プロレスラー里村の報われない22年の日々』(里村明衣子/インプレス)
「こじらせ女子」という言葉を生んだ『女子をこじらせて』(ポット出版)の著者・雨宮まみさん。2016年11月、突然の訃報に、多くのファンが涙した。彼女は、生きづらさを抱えながら懸命に生きる現代女性の代弁者だった。
雨宮さんの死について、「自殺じゃないか?」と勘ぐる人もいる。しかし、そんなことは絶対にない。なぜなら彼女は、ある一人の女性に惚れ込み、本を書こうとしていた。その女性とは、女子プロレスラーの里村明衣子。雨宮さんは生前、里村についてこう書いている。
女は年齢じゃない、人間は年齢じゃない、志と生き方と姿勢で、いつまでも気高くいられる。そういうことを初めて、きれいごとじゃなく心の底から感じて、自分自身も輝きたい、里村さんほどにはなれなくても、何かああいうオーラのようなものを放って、自分に酔いしれることができるようになりたいと思った。里村さんを知って、私は目標というものを得て、少しばかり無茶をしてみたくなったのだ。(「40歳がくる!」)
“横綱”と呼ばれ…
2018/11/10
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女子をこじらせて / 感想・レビュー
ミカママ
女子だったら生まれながらのゴージャスでない限り、誰でも一度はこじらせた時期があるのではないか。そんな女子の黒歴史を逆なでした上で、優しくバンドエイドを貼ってくれるような作品。この世はとても、彼女にとっては生きにくいものだったのだろう。
2019/09/07
harass
KindleUnlimited。レビュで気になり読む。2011年のAVライターの著者の告白。田舎の浮いていたサブカル少女は東京を目指し、アダルト業界に…… こじらせることを隠さずに語っていて、途中引きまくる。なにもそこまでと。女であることの意味、ジェンダー論にもつながる葛藤と悩みとあがきと、それらを踏まえて内面の折り合い。女性がここまであけっぴろげに語ることへのおののきは一体なんだろうか。こじらせっぷりにあまり笑えないのだがぜひ一読を。と、調べたら著者は四年前に亡くなっていた。自殺ではないようだが。
2020/01/06
現在葬送のフリーレンのコスプレ中・寺「葬送のフリーレンて何や!」
図書館の伝記コーナーで発見(笑)。題名が他の本と違和感があるので手に取り、パラパラめくるとエロい単語だらけなので迷わず借りる(恥)。まずは著者がAVライターである事の自己紹介。初めてAVを見たのは大学受験で一人で泊まったホテル。「赤本すら開かずにとても人には言えないような行為に没頭」したとの事(笑)。こんな感じで笑いがふんだんに入った著者の自伝なのだが、就職するあたりから笑いの要素が失せ、女である事や私である事の苦悩と思索と考察の軌跡に。最終的に著者が開いた悟りは貴いと思う。皆に読んでほしい。
2014/06/20
lonesome
この本は雨宮さんと同じような女の人へのエールとして書かれてるけど、男でもとても共感できる。自分もこんな自分に好きになられても迷惑ですよねと思ってしまう。だけどこの卑屈さは誰かにとっては鼻につくのかもしれないな。なぜならどうせ自分なんかという評価は、自分で決めるものではなくて相手が決めるべきものだからだ。「モテキ」もすごく好きなので、ミツロウ先生との「モテキ」の登場人物に例えて展開する対談もわかりやすく面白かった。あとがきの文章も良くて、なんだか好きな人と話したいと思った。
2014/05/04
omake
自分にも「こじらせ」はある。どう対処していくか、どう折り合いをつけていくかに必死で、著者のようにパワフルな行動はできてなかったかなと思う。こじらせてないと見えないもの、感じられないものはある。キツくてしんどいけど、「こじらせ万歳!」とこの本を読んで思えた。
2022/03/14
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