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百年の憂鬱

百年の憂鬱

百年の憂鬱

作家
伏見憲明
出版社
ポット出版
発売日
2012-07-31
ISBN
9784780801842
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あらすじ

物書き業のかたわらに週一回、ゲイバーを経営している義明。作家としてはすでに書きたいテーマを書き尽くしてしまった感を覚え、気鬱な日々を過ごしていた彼の前に、弱冠二十歳のハーフの美少年、ユアンが現われる。自分への無垢な好意に、暗い情動を突き動かされる義明。当然のように二人は関係を持つ。突然の僥倖に淫する義明だったが、彼には長年のパートナーがいた。
27年の年の差を埋めるように、すべてを欲しがるユアンと、そんな恋愛感情は長くは続かないことを知っている義明。若者のストレートな純愛と老獪な中年の恋愛は当然激しくぶつかり合う。
「どうやったって過去は手に入れることはできないよ」
「いや、俺は全部欲しい」
お互い傷つけ合い、貪り合うような恋。そしてついに終止符が訪れる──。

「これが男と女だったら、そこまで互いを追いつめたりしない気がするわ」(本文より)

百年の憂鬱 / 感想・レビュー

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俺フィギ

イッキ読み。同性愛、親子ほどの年の差、生まれ育った境遇の差・・・二人の間のヒリヒリ感がたまらなくリアル。冒頭で別れが明示されているので、腹に氷を抱えたような気分で読み進む。主人公の取材対象である老人と、主人公の若い恋人ユアンの対比がとても効果的。老人の絞り出すような回顧の背景をユアンが理解せず、雰囲気のない整然とした文章にしてしまう描写が秀逸だと思う。「生き馬の目を抜くような男同士の色事」「呪文をかけておいた釣り銭」などのフレーズが示す挑戦的な雰囲気の前半から、地獄をみるようなラストへ・・・嗚呼。

2013/05/06

れもんぱんち

主人公の人間に対する思いが、余りにも暗く歪んでいて鬱屈とする。中年の疑心や諦め、慢心がとても心地良い。面白かったです。

2012/12/01

くっく

47歳と20歳の男同士の恋の物語。前者の一人称語りのため、なかなか中年主人公の振りかざすエゴイズムに共感しづらかった。とはいえ、夫婦を超えたパートナーシップとはどんなものなのか、深く考えさせられた。

2012/08/15

ジョバンニ

生きることの苦しみとか、歳を重ねる寂しさとか、じっくり考えずにはいられない。過去は変えられないけど、未来を変えるのも簡単ではないんだなあ。ほんと人間って不思議な生き物だ…。

2015/03/15

Ti:nə

『さようなら、オレンジ』を読んだ後だったこともあり、日本社会で生きるハーフの若いゲイの苦しみは、想像するだけで胸が痛い。人間関係とは、恋愛とは…、つねに人のぬくもりを感じる小説。みんなにおススメ。

2014/01/20

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