フェミニストとオタクはなぜ相性が悪いのか 「性の商品化」と「表現の自由」を再考する
「フェミニストとオタクはなぜ相性が悪いのか 「性の商品化」と「表現の自由」を再考する」のおすすめレビュー
相容れない“フェミニスト”と“オタク” 。「性の問題」を2つの立場から考えたら…
『フェミニストとオタクはなぜ相性が悪いのか 「性の商品化」と「表現の自由」を再考する』(香山リカ、北原みのり/イースト・プレス)
フェミニストとオタク。『フェミニストとオタクはなぜ相性が悪いのか 「性の商品化」と「表現の自由」を再考する』(香山リカ、北原みのり/イースト・プレス)は、フェミ=北原みのり、オタク=香山リカという立場から、世の中の事象に対して見解を語り合う対談集である。
彼女らが互いの立ち位置を表明するために持ち出されるのが、あの1989年の連続幼女誘拐殺人事件だ。4歳から7歳の幼女を誘拐し、猥褻行為、殺人、死体損壊を行った宮崎勤は、事件の残虐性もさることながら、ビデオや漫画がぎっしり詰まった彼の“オタク部屋”の様子で世間に衝撃を与えた。
事件当時、宮崎勤のコレクションにロリコン漫画やスプラッタビデオがあったことから、オタクバッシングが起こり、レンタルビデオ店の棚からはホラービデオが消えた。それに対し、知識人の多くはオタク擁護的な論陣を張り、表現の規制に対抗するというスタンスを取ったのだが、その一人が自分であったと、香山リカは言う。…
2018/1/26
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フェミニストとオタクはなぜ相性が悪いのか 「性の商品化」と「表現の自由」を再考する / 感想・レビュー
TATA
フェミニストの方の考え方というものを理解したくて、こちらの対談集を読んでみた。巷のオタク文化がいかに男性中心的かというところは理解できたのだけど、その後、あれやこれやと話題が飛んでいくので体系的な理解には至らず。まあ、対談形式なのである程度くだけたやり取りであればこその利点もあるわけですが。結局フェミニストの考え方を理解しようとしてこちらを読んだけれど、漸くその入り口に差し掛かったという程度なんだろうな。うーん。
2021/03/31
阿部義彦
女性のためのセックストーイショップを設立した北原みのりさんと私と同年代の精神科医、香山リカさんとの対談です。きっかけの宮崎勤のことから、アート界の会田誠と村上隆、そして、AV女優と業界の行方はてはメイド喫茶や秋元康のAKBまで、性表現と性の商品化について論を繰り広げます。 没落するしか無いこれからの日本は、オタクの天下なのか?私はアニメに興味がないのでロリの気は全然ないのですが、本気でメイドに成って世話を焼きたい(赤の他人にでっせ!)と指向するがいるなんて理解に苦しむ。再読必須、難しかった。
2017/12/02
マグリ
ネットなどで萌え文化に対してフェミニストが声あげると、オタク的な立場の人が激しく反応する場面をよく見かける。 この終わりなき戦いにフェミ側の論客二人が、歴史や社会構造から考察していく対談集。 性の商品化という点では日本はやはり異常だと思う、風俗、AV、エロゲは言わずもがな、萌え文化もエロと切り離せないものが多すぎる。 男はもちろん、女性もこの性の商品化に対して鈍感な人が多すぎる気がする。諦めなのか、声を上げにくい社会構造だからなのか。 とにかくこの本を読んで、当事者意識をもって議論してみてほしい。
2018/11/07
ルナティック
これは会話形式になっていて読みやすいが、考えるべき要素が多くて、色々考えさせられる。男性は女性に“何を”求めているのか?そういう部分も考えさせられた。突き詰めると、そういう話ではないのだろうか?、日本女性の“美徳”と称されるモノモノが、男性の女性観を育むだろうか?そして男性が望む“女性”を演じることが、女性の“価値”に繋がるという思考の源はどこから来るのであろうか?テーマが多くて、絞りきれていない感が残ったので、もっと突っ込んで話し合って欲しい気がした。でも、読んで良かったと思っている。
2018/02/28
kenitirokikuti
〈香山 女性はいくら性と人格を切り離そうとしても人格の欠片みたいな、性的行為をしている時に付随している人格的なものがあるわけです〉p.88 、〈北原 男の人は買春してる時に乖離しないんでしょうか。〉p.89 、〈北原 でも、香山さんは会田誠の作品を観た時に痛みは感じませんでしたか?〉p.111、北原が佐藤優のすすめでウシジマくんを読み始めた。〈あの漫画、本筋とは関係ないんだけど男の人が暇になるとだいたいオナニーする〉p.132 。たぶん、セクシャルファンタジー(自慰のとき浮かぶ性的な空想)が薄いんだろうな
2017/11/18
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