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田村隆一詩集 続続 (現代詩文庫 第 1期111)

田村隆一詩集 続続 (現代詩文庫 第 1期111)

田村隆一詩集 続続 (現代詩文庫 第 1期111)

作家
田村隆一
出版社
思潮社
発売日
1993-10-01
ISBN
9784783708780
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ジャンル

田村隆一詩集 続続 (現代詩文庫 第 1期111) / 感想・レビュー

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野原の/細い道を歩いて行ったら/多摩川の上流に出た/対岸では/釣人が二人糸を垂れている/あれは観念形態ではない/まさしく人である/ぼくは眠くなって雑草のなかに横たわる/すると/垂直軸がまたたくうちに回転して/水平軸がぼくの観念形態をつらぬく/ゴシックは崩壊し/エロスの曲線が生れ色彩がほとばしり/水の匂いがひろがってくる (「緑色の観念形態」)

2019/03/24

順子

読んだのはこの「続続」ではない思潮社現代詩文庫の田村隆一詩集。1923年生まれの詩人。シュールレアリズムの絵のような。感想は整理出来てから。追記:ちょっと感想。そう、シュールな絵が浮かぶ、初期の作品の方が浮かびやすい。よく解らないながらも印象的な文や言葉がいくつかある。1924年生まれの父と同世代か。同じように東京の大学から予科練に行った父も文学青年だったらしい。が、そんな時代によくこれを書いたし、よくこれが評価されたなあ。(父がカタブツだったのでそんな事を思ってしまう。)

2024/02/29

H

単語、言葉選びは彼自身のものなのだけれど、組み合わせ、使い方に経年の変化を感じる。独特の冷たさ、生硬さ、言語への恐々とした触り方は身をひそめ、あたりの平穏でのんびりとした詩になっている。若さゆえの、全ての物事への恐怖心、緊張は持続し難いものなんだろうか、と読みながら考えて、複雑な気持ちになった。

2016/01/13

misui

もはや詩と一体化して、語ることが全て詩になるといった趣さえある。世間に毒づき、喪失を感じ、昔語りで時を過ごし……と、やっていることは完全に年寄りの繰り言なのだが、本人は自覚して晩節を汚しているのだし(この灰の中からダイヤモンドを探せとか言ってる)、詩人の死ぬ身の一踊りには同じく詩を書く人間として神妙にならざるを得ない。ハードボイルドに生きて書いたのだから、のたうち回って泥にまみれて死ぬのは必然なのだ。

2014/04/16

エムパンダ

『四千の日と夜』『言葉のない世界』から比べると、年を経るにつれてヒリヒリするような鋭敏さや硬質度が薄れてきた気がする。初期の方が好みだ。それでも「木」「1999」のような優しい柔らかな雰囲気の作品も、こういうものも書く人なのかと幅の広さを感じる。4氏の詩人論もよかった。

2021/05/15

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