白熱化した言葉―吉本隆明文学思想講演集
白熱化した言葉―吉本隆明文学思想講演集 / 感想・レビュー
Tsukasa Ganaha
「ロシア文学は、<自意識>の過剰分を自分の自意識を見つめる自意識というところで安定させることができなかった。それはロシア社会の、アジア的後進性によります。本来ならば自意識を見つめている自意識性というところで済んだはずの自意識の過剰分が、社会の文明的な欠落にむかって流れ込んでゆき、その行方を社会問題として問われることになった。これがドストエフスキーの文学作品の大きな眼目」「宮沢賢治の『若い木霊』のような難解な情緒の割れた作品は幼児性が危機に瀕して虐げられた形で出ている。こういう内面の欲求が宮沢賢治にはあった
2019/06/24
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