与謝野鉄幹/与謝野晶子 (新学社近代浪漫派文庫)
与謝野鉄幹/与謝野晶子 (新学社近代浪漫派文庫) / 感想・レビュー
ダイキ
大学図書館。現在は殆ど顧みられる事のない鐵幹の詩歌、私はかなり好きなのですが、やはり晶子さんのものを続けて読むと、その大きさの前にあっという間に霞んでいってしまうようです。『みだれ髪』の中では、「清水へ祇園をよぎる桜月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき」が最も好きで、今でも夜の祇園を歩けばこの歌を実感する事が出来ます。みだれ髪に於ける晶子さんの奔放な歌風は遺稿集の『白桜集』に至っては良くも悪くも順当に潜まり円熟した歌境を示され、「鞍馬山歌の石とは知りながら君仮初めに住むここちする」などは殊にかなしいです。
2016/06/29
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