弔い論
弔い論 / 感想・レビュー
まさきち
大学の課題で読む。故人と遺族、弔問者の個人的な気持ちの関わりは〈弔い〉、〈悼み〉。それに対して靖国神社の英霊祭祀は対極的。ホトケになるか神になるか、分骨の可否、植民地出身者など、残された者の感情を思う時、一斉に了解も無く合祀、もしくは国のためを思って死んでも逆賊とされた人は祀られないなどというのはやはりあまりに乱暴だ。花嫁人形や口寄せ、八甲田行軍の亡霊など民俗学の視点ならではの死者と生者の思いの行き来を読めた。
2018/02/01
いまにえる
葬式や伝承などについて書かれた書。思ったより民俗学的であった。戦死者はその数の「多さ」を強調されて死の個別性を剥奪され、また、無名戦士として祀られることで極めて抽象化された人間になっている。それが死者への冒涜だというようなことを言っていてなるほどなと思った。遺影のポリティクスについても興味深いと思った。その遺影がいつ頃取られたか、どんな表情をしているかでその死者について語られる物語は全く異なるだろうということは、当たり前かもしれないが私にとっては盲点だった。
2018/01/27
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