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肉体のヌートピア: ロボット、パワード・スーツ、サイボーグの考古学

肉体のヌートピア: ロボット、パワード・スーツ、サイボーグの考古学

肉体のヌートピア: ロボット、パワード・スーツ、サイボーグの考古学

作家
永瀬唯
出版社
青弓社
発売日
1997-01-01
ISBN
9784787231314
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肉体のヌートピア: ロボット、パワード・スーツ、サイボーグの考古学 / 感想・レビュー

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内島菫

(巨大)ロボットの先祖といえばからくり人形(オートマトン)が思い浮かぶが、本書によればさらにオートマトンは、正確な時間計測器である時計の「守護天使」であるという。つまりロボットは時間制度の近代化から発達し、時計の付属物として音楽に合わせて踊ったり、また音楽を演奏したりする自動人形のように、時間の芸術とされる音楽とも縁が深い。しかし彼ら最先端技術であったオートマトンは、やがて見世物としてマジックや超能力と結びつき、その地位を落としてゆく。一方で一部の富裕な人々のためのオートマトンの流れとは別に、

2022/05/18

jojou

様々な資料を縦横無尽に参照しながら、技術史と文化史、SF史を横断し、それらを結びつける力量は驚異的と言うほかない。

2022/02/11

ponkts

良書。本来ならば身体的なハンディキャップを抱えた人間に最も大きな恩恵をもたらすパワード・スーツの小説内での扱われ方を見るとき、初期ハインラインの『ウォルドウ』では、身体の拡張という概念のいわば別種である遠隔マニピュレータを操るのは、筋無力症の主人公である。しかし、『宇宙の戦士』では、女性、戦傷者、障害者は戦場からパージされている。永瀬は、こういったボディ・イメージからエスニシティー的、ジェンダー的にも排除されてきた SF 作家たちが、その後サイボーグを扱った作品を多く世に放つことになった因果に必然を見る。

2014/09/22

いちはじめ

SFのヴィジョンと現実の科学技術史の交錯する境界面での見えざる激しい運動にスポットを当てるスリリングな論考。その着眼点の見事さに目を奪われがちだが、それを支えるSF/現実の科学技術関連の膨大な文献を渉猟する愚直なまでの実証主義的手法こそが本書の生命線であり、SF考証を突き抜けて評論へと昇華させた原動力ではないかと思う。

2009/06/26

HARD SEVEN

SFのロボット、サイボーグ、アンドロイド(テクノロジー全般)は、人の理想の結晶と使い勝手のいい道具との間を行ったり来たりちゃうのはなんでなんだろう、というか誰のせいなのかと。時計、自転車からパワードスーツ、アンドロイドまで、人間の理想と業を追うかのようなテクノロジーとSF文学の変化=発展の歴史をさくっと読む。門外漢の自分にはダルいところもあったけれど、言ってる事が刺激的なのは分かるし、要所要所、名言がある良書。

2013/09/30

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