KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

<責任>の生成ー中動態と当事者研究

<責任>の生成ー中動態と当事者研究

<責任>の生成ー中動態と当事者研究

作家
國分功一郎
熊谷晋一郎
出版社
新曜社
発売日
2020-11-22
ISBN
9784788516908
amazonで購入する

<責任>の生成ー中動態と当事者研究 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

夜間飛行

昔は症状は社会から見た害悪という視点しかなく、個人にとっての意味の探究など皆無だったらしい。症状の意味を社会的文脈から切り離し、現象としてグループ内で扱う研究をしているのが熊谷さん。その当事者研究に國分さんの中動態が役立つという。社会の諸制度が多数者向けにできているように、言語も多数者向けの「(意志を問う)尋問の言語」になっている。そこで中動態の視点から意志や責任を問い返していく。ASDの立場や嗜癖の話が興味深かった。私は何となく中島敦の作中の李陵や司馬遷などヒロイックな意志とは対極に生きた人々を想った。

2021/07/11

ネギっ子gen

【良書】互いの研究への深い共鳴の中で、複数の思考を感受し合いながらの共同研究は、「責任」の概念を抜本的に問い直す――。この時代そのものに向けられた「対談」形態で書かれた「研究の記録」。「まえがき(國分)」に、<研究は、ただし、明確な出発点を持っていた。それは熊谷晋一郎さんがこれまで行なってきた当事者研究についての研究であり、私が著書『中動態の世界』で公表した中動態についての研究である。われわれは2つの研究が共鳴していること、またその共鳴が自分たちの中で複数の考えに発展しつつあることを感じ取っている>と。⇒

2022/09/14

ころこ

木島泰三『自由意志の向こう側』の前半に、決定論と運命論の議論があります。決定論+目的論である運命論が厄介なのは、この目的論の部分を上手く処理できない人間の問題として、科学における運命論の混入が近代以降に生じることが後半の論点になるのでした。そこに本書の議論を踏まえると、実存的に考えれば目的論を強化しがちですが、むしろ決定論から目的論を弱めることに当事者研究は貢献しており、さらに中動態は同じ考え方をしていることが理解できます。行為を外在化し、自然現象のようにして捉える。免責すると、外在化された現象のメカニズ

2021/06/07

pirokichi

対談形式なので、難しいけどわかりやすく、面白かった。「意志することは始まりであろうとすることである。意志することは忘れようとすることである。意志することは憎むことである」…「意志」について単純に良い意味でしか捉えてなかったので、意志とは切断・思考停止だなんて、考えさせられた。おなかに切り目を入れられて実験台にされたミツバチの話は身につまされた。読書においても、そうならないように気をつけねば。

2021/06/20

ステビア

近代的主体の問い直し

2022/10/10

感想・レビューをもっと見る