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<責任>の生成ー中動態と当事者研究

<責任>の生成ー中動態と当事者研究

<責任>の生成ー中動態と当事者研究

作家
國分功一郎
熊谷晋一郎
出版社
新曜社
発売日
2020-11-22
ISBN
9784788516908
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<責任>の生成ー中動態と当事者研究 / 感想・レビュー

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夜間飛行

昔は症状は社会から見た害悪という視点しかなく、個人にとっての意味の探究など皆無だったらしい。症状の意味を社会的文脈から切り離し、現象としてグループ内で扱う研究をしているのが熊谷さん。その当事者研究に國分さんの中動態が役立つという。社会の諸制度が多数者向けにできているように、言語も多数者向けの「(意志を問う)尋問の言語」になっている。そこで中動態の視点から意志や責任を問い返していく。ASDの立場や嗜癖の話が興味深かった。私は何となく中島敦の作中の李陵や司馬遷などヒロイックな意志とは対極に生きた人々を想った。

2021/07/11

ころこ

木島泰三『自由意志の向こう側』の前半に、決定論と運命論の議論があります。決定論+目的論である運命論が厄介なのは、この目的論の部分を上手く処理できない人間の問題として、科学における運命論の混入が近代以降に生じることが後半の論点になるのでした。そこに本書の議論を踏まえると、実存的に考えれば目的論を強化しがちですが、むしろ決定論から目的論を弱めることに当事者研究は貢献しており、さらに中動態は同じ考え方をしていることが理解できます。行為を外在化し、自然現象のようにして捉える。免責すると、外在化された現象のメカニズ

2021/06/07

pirokichi

対談形式なので、難しいけどわかりやすく、面白かった。「意志することは始まりであろうとすることである。意志することは忘れようとすることである。意志することは憎むことである」…「意志」について単純に良い意味でしか捉えてなかったので、意志とは切断・思考停止だなんて、考えさせられた。おなかに切り目を入れられて実験台にされたミツバチの話は身につまされた。読書においても、そうならないように気をつけねば。

2021/06/20

nbhd

國分さんの「中動態の世界~意志と責任の考古学~」では論じ尽くされなかった【責任】について、本の後半、熊谷さんがアルコホール・アノニマスで使われる「AA12のステップ」を参照しながら、読み解いていくのが圧巻。カギは、中動態の共時性だけでなく、通時性を考えることにあるようだ。…にしても、ハイデガーの言葉「意志することは忘れようとすることである」は、いつ眺めても新鮮さがあって、すっごく好き。熊谷さんは、これを言い換えて、「意志が過去の切断であるならば、反意志とは過去を棚卸しすることだ」という。これにもシビれた。

2021/03/05

ほし

國分さんの「中動態」と熊谷さんの「当事者研究」。2人の対談によって紡がれる論考を纏めた本です。本書では、過去を切断、遮断するための概念として用いられるものが意志であり、現代を意志信仰とも呼ぶべき時代だと捉え、批判的に意志の概念が検証されます。そして、かつて存在していた中動態という言語の視点から主体の概念を再検討し、主体が中動態的な態度によって過去との連続性をもつことで、本来の意味での責任を引き受けられるのではないかと語られます。読んでいて興奮するような、頭を揺さぶられる一冊でした。

2020/12/28

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