ユリイカ 2015年1月臨時増刊号 総特集◎岩明均 -『風子のいる店』『寄生獣』から『七夕の国』、そして『ヒストリエ』へ

ユリイカ 2015年1月臨時増刊号 総特集◎岩明均 -『風子のいる店』『寄生獣』から『七夕の国』、そして『ヒストリエ』へ
- 作家
- 出版社
- 青土社
- 発売日
- 2014-12-12
- ISBN
- 9784791702817

ジャンル
ユリイカ 2015年1月臨時増刊号 総特集◎岩明均 -『風子のいる店』『寄生獣』から『七夕の国』、そして『ヒストリエ』へ / 感想・レビュー
hoco
恩田陸の寄稿にもあるとおり、果たして自分は、岩明作品を理解しているのかと自問してしまう、それも読む度に。それで、つい、他の人がどう読み、何を考えたかを知りたくなった。小説家の恩田陸、歴史学の大谷哲、生物学の八代嘉美がおもしろかった。冒頭5ページにわたりご本人のインタビューがある。「私ではない『物語』という人格が、彫刻刀でキャラクター像を次々に削り出してる感じです」というコメントが岩明作品のおもしろさだろう。物語と、作者と、読者が、常に心地よい位置にいて、物語に没頭できるのが岩明作品だと思う。
2021/08/30
Susumu Miki(Dik-dik)
須賀原洋行が寄稿していていて、そこでよしえサンが亡くなっていたことを知りました。『風子のいる店』は連載当時読んでいただけで単行本は持っていないですが、懐かしかったです。
2015/02/13
山像
こういうものの常として玉石混淆ですが、玉の割合は極めて高い。文化人類学者兼漫画家の都留泰作による、岩明均の「研究者的気質」という観点からの「七夕の国」解題、及び歴史学者・大谷哲による「ヒストリエ」の歴史考証の検証的な解説が特に良かった。 以下、もっとこういう点について読みたいなと思ったこと。・岩明均本人について(まあ本人が非常にそっけない感じなので難しいのは分かる)・漫画史、アフタヌーン史における岩明漫画の位置付け ・社会生物学史と寄生獣のテーマの本質的な関連性の評価
2015/01/06
まり
学術的な書評って初めて読んだ。造形、表現、メディアから、歴史、文化まで。SFとして寄生獣を読み解いたものが面白かった。キーワードは「融合」「思弁」。他の岩明作品を読んでからもう一回読んでみよう。特に『七夕の国』が読んでみたい。
2015/01/04
アナクマ
(p.34)自己の境界にとどまることを選択したとはいえ、それでも輪郭線を介してつねに他者や他種に寄りそい、自己の境界を再設定していくのだというのが『寄生獣』の決意なんでしょう。(中略)人間は他者をほんとうに理解することはできなくても、境界線をはさんでそれと寄りそい生きることはできる。そして、そこに手をとどかせたいと願うかぎりで、自己のイメージを変形しつづけていくことができるかもしれない。
2017/01/19
感想・レビューをもっと見る