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時のかけらたち

時のかけらたち

時のかけらたち

作家
須賀敦子
出版社
青土社
発売日
1998-06-01
ISBN
9784791756469
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時のかけらたち / 感想・レビュー

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aika

石畳の硬い感触、教会の構造、詩や絵画などヨーロッパの思考に惹かれ、悩み、数十年という長い時間が経ていく中で、須賀さんの思考が再構築されていく過程を知れました。今まで読んできたどの作品よりも難しく、言葉に率直さを感じます。「二十五年がすぎて、枠と細部を、貴重な絵具のようにすこしずつ溶かしては、まぜることをおぼえたいま、私は、ようやく自分なりの坂道の降り方を覚えたのかもしれなかった。」戦後の貧しさが残るパリ、愛したイタリア、そして戻ってきた日本、生きてきた全ての時間が須賀さんの中に息づいていました。

2020/09/13

Mishima

イタリアという国があまりにもわたしには遠くて、理解が及ばない本でした。でも、好きです。須賀敦子さんは、やはり良いです。12編中最後にあった文中の詩が心に響いたのでメモとして。 「ぐっすりとねむったまま生きたい 人生の優しい騒音に囲まれて。」サンドロ・ペンナ。

2018/08/15

kthyk

先月、参加したばかりのレヴューで「地図のない道」をコメントしたが、あの時、どうしても思い出せなかった「時のかけらたち」。今朝、読ませていただいたレヴューでようやっと思い出した。ペッピーノを喪ってからの須賀さんはヴェネツィアを度々訪れ、16世紀ヴェネトの建築家パラーディオにも触れている。「地図のない道」ではデリ・インクラビリから望むレデントーレ教会の景観を「ヴェネツィアでもっとも愛している風景」と書かれたが、「時のかけらたち」では同じ教会をまるで小説のように語っている。ー>

2020/11/20

あ げ こ

流れ去った時間にふと感じる、今の自らとの繋がり。今の場所へと自らを運んでくれた、時のかけらたち。心の内より取り出し、ひとかけらひとかけら、丁寧に磨き上げ、今一度輝かせる。繊細に紡いだ言葉が浮かび上がらせる情景の、淡い色彩の美しさ。須賀敦子の文章はいつも、水分を多く含むために滲んで広がった色の穏やかさ、柔らかさを思わせる。温かな光の中に、微かに混じる寂寥感、静謐な言葉が残す余韻まで、たっぷりと味わい、愉しんだ。

2014/02/01

きるきる

とても格調高い文で高貴で上品、選び抜かれた表現。でも、特に何か意味のあることが書かれているわけでない所に驚愕。ほんとに全く内容のない本。でも、福岡伸一先生が唯一あげた好きな作家なのは共感。

2012/01/16

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