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『パサージュ論』熟読玩味

『パサージュ論』熟読玩味

『パサージュ論』熟読玩味

作家
鹿島茂
出版社
青土社
発売日
2004-05-10
ISBN
9784791761159
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『パサージュ論』熟読玩味 / 感想・レビュー

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ころこ

12回の連載を本にしているが、書き直しをしていないのではないか。『パサージュ論』を論じるには、実証的に調べ上げるという方法が思いつく。そうでなければ、思いつくままに書く以外の方法はないだろう。2回では『パサージュ論』をコレクターの蔵書目録に見立てている。4回ではベンヤミンがどの様に考えていたかはさておき、モードを必要不可欠なものとして肯定的に論じている。著者は資本主義を近代と同じくらい大きなものとしていて、ベンヤミンの研究者はこうは書けないだろう。批判もあるだろうが、ここまで曝け出すのはなかなか出来ない。

2023/08/25

燃えつきた棒

ALL REVIEWS友の会のイベントで鹿島先生にお会いするので、その前に読んでおこうと手に取った。 ベンヤミンの『パサージュ論』に最初に興味を持ったのは、笠井潔の「群衆の悪魔」の中で、触れられていたからだ。 それ以来ずっと気になっていた。 という訳で、鹿島先生のこの本は有難かった。 鈍な僕のことだから、残念ながら読んで分かったとは言えないが、分からないなりに岩波現代文庫の『パサージュ論』辺りを散策してみたくなった。

2019/05/23

かふ

ベンヤミン『パサージュ論』を読むために解説本を先に読む。なかなか手ごわい。どうも弁証法というのは。哲学的思考が苦手だった。ベンヤミンはそうじゃないと思ったのだが、やっぱそうだと思った。そう世の中甘くない。夢から覚めた。まず最初の一歩はそんなところ。しかし、哲学は理解が遠くとも文学が切り開いてくれる。まずはプルーストだ。以下、長文https://note.com/aoyadokari/n/n0bb2c499f57a

2022/03/16

kthyk

「情緒や内面的感情ではなく、全てを事物を通して捉える」のがベンヤミンの方法。都市は個人にとっては外面、しかし、集団にとっては内面という彼は「事物としての形象に集団の夢」の現れを見る。全5巻のパサージュ論は19世紀の集団の夢(資本主義)を都市の遊歩者となってまとめられた。商品(家)は有用性より物語性・物神性(魅力・交換価値)への関心から購入され、「死ねない地獄の時間を生きるもの、それが近代資本主義という集団の夢」。「人新生」という時代の狭間に立たされた我々にとって、彼の思考はますます貴重なものになってきた。

2021/01/31

misui

ほとんどが引用と思想断片からなる『パサージュ論』を読み解くことは難しい。それは線的な流れを持たず、ゲームブックのように読者に開かれている。本書は『パサージュ論』に現れるタームやベンヤミンの思想を示し、『パサージュ論』が何を言わんとしているかを手引してくれる。もちろん逐一の読解ではないもののベンヤミンの基本的な姿勢は示してくれるので、ここから始めれば少しは理解が進みそうだ。二読三読して足場を固めたいです。

2016/02/13

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