脳はすごい -ある人工知能研究者の脳損傷体験記-
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脳はすごい -ある人工知能研究者の脳損傷体験記- / 感想・レビュー
うさっち
交通事故によって脳震盪症を患った人工知能研究者である著者の体験記。ここまで日常生活に支障が出るなんて…。症状の酷さをなかなか理解してもらえないまま何年も大学教授として教壇に立っていたことが信じられない。文章が難しくて読みづらい部分もあったけど後半の理解してくれる治療者に出会ってからは一気読みでした。
2018/09/07
Sakie
交通事故により脳震盪の後遺症が残った一つの症例。網膜と視覚皮質間の経路を損傷しているのだが、視覚システムは中心視覚と周辺視覚だけではない。視空間認識、光覚、サーカディアンリズム、平衡感覚、運動協調性、記憶、象徴的思考など多岐に結びついている上に、情動や集中力、つまり性格すら変え得るのだ。これらのバランスが崩れたことで、著者の日常が頻繁に疲労崩壊する様子には、読むこちらがへとへとになる。回復のカギは脳の可塑性である。網膜と視覚皮質間の信号が経由する経路を新しく書き変える神経科学の知見と技術は、まさに驚異だ。
2020/09/22
よしひろ
人間の脳が情報を処理する過程を検証する。心配、判断など人間の感情や「考える」作業を行う時、脳はどのように働いているのか。概念はいかに獲得されるのか。それが人工知能の開発に寄与する。
2016/01/31
よしひろ
脳の可塑性について考えることができた。
2016/04/01
河童
脳震盪で一時的に意識がもうろうとすることはスポーツなどの際によくある軽微な事故だと思ってましたが、脳に深刻な損傷を残す怖いものなのだと初めて知りました。そしてかような脳の損傷を受けた患者に、脳の可塑性を引き出す治療というものがある、ということに驚きました。その治療を施すドナリー・マーカスとデボラ・ゼリンスキーという脳科学に精通した博士のすごさにびっくりです。
2015/11/20
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