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列島語り ―出雲・遠野・風土記―

列島語り ―出雲・遠野・風土記―

列島語り ―出雲・遠野・風土記―

作家
赤坂憲雄
三浦佑之
出版社
青土社
発売日
2017-04-25
ISBN
9784791769704
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ジャンル

列島語り ―出雲・遠野・風土記― / 感想・レビュー

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はるわか

市とは海と陸が出会う特異な場所。潟の漁撈世界と稲作世界のせめぎ合い。出雲から日本海文化圏を通って諏訪へと下る道筋、潟(ラグーン)の世界、柱の文化、能登半島から富山湾を中心として同心円状に広がる巨木文化。タブと椿の社。出雲と南方、母神カムムスヒ。死者を葬る海蝕洞窟、南に繋がる水平的な世界観。太平洋沿岸の黒潮文化圏と日本海沿岸の青潮文化圏。糸魚川(高志の沼河)の翡翠の交易。島だった島根半島、間に水路。出雲は交易の港として最高の立地、潟の世界を抱え込んだ、王権を必要としない、海洋交易のクニ。

2019/06/16

冬佳彰

対談集なんだが、「はじめに」や「おわりに」に書かれているように、対談時の内容に対し、膨大な加筆が行われているらしい。で、通常の対談本をイメージししていると、完全に撃沈される。密度が高く、かなり難しい。もう論文なんじゃないの?的な匂いさえしてくる。内容は、出雲、遠野、古事記、風土記かなあ。射程の広さというか深さは半端ではなく、古代から現代、民俗学、神話学、文学、物語、植物学などなどに縦横無尽に対談(?)は展開していく。とにかく電子本で持っている「遠野物語」は再読しないと、俺は全然ダメじゃん、と反省した。

2023/01/31

なおこっか

『風土記の世界』と連続して読んだので、赤坂先生の更に易しい解説書という感じで楽しく読めた。古事記と遠野物語を『語り→文字化』の視点から同時に話あっても全く無理のないお二方。死者や敗者を悼み、喪失との『和解』(ここで中井久夫先生の思想にも結びつく無尽さ!)のための語り。単なる異譚や昔話カテゴリーではなく、噂話も含めた遠野物語の懐広さ、凄く興味をひかれる。時代遡って古代の、天から降ってくる神の文化と、海からやってくる神の文化は異なる、との説もとても魅力的。海の道が見えないからとてその道が無かったとは言えない。

2019/07/15

林克也

日本とは、たまたまこの地にあるだけで、民族とか血統とか、必然じゃないんだ。いくつもの日本。で、出雲のパワー、実は今でも蠢いており、そこに戦々恐々とする北方系の種族が暴走するのが、日本の歴史なんだろうな。三浦さんが、「日本書紀は天皇家の歴史が天皇のために書かれているように読める。古事記では天皇に殺された側に焦点をしぼって語られています」と述べている。つまり、日本書紀って、今の産経や読売や日経やNHKのように、時の権力者を操る連中の機関紙のような、偏ったものなんだ、ということが、知識として身に付きました。

2018/02/06

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