ショールの女
ショールの女 / 感想・レビュー
ペグ
今年も6月がやってきました。東江さんが亡くなられてもう6年!毎年、この時期にはこの「ショールの女」を読んでいます。この作品の心理描写は本当に濃密です。思考と共に時間と場所が移動する。東江さんが何度も推敲を重ねられたというのにも納得です。パースキーがローザの傷を癒し、少しでも過去から解放されることを!!因みに東江さん翻訳のわたしにとってのベスト3は「ストリート・キッズ」「ストーナー」「ショールの女」です。彼が生きておられたらシンシア・オジックの別の作品も訳してくださったでしょうか。惜しまれる翻訳家です。
2020/06/02
ペグ
何度も読んでるのに〜又読みたくなる。「ショール」はミア ワシコウスカをイメージして。「ローザ」はキャシー ベイツ。パースキーは断然サム シェパードで。後書きにもあるように東出さんは随分と推敲を繰り返したようだ。「ストーナー」と「ショールの女」は本当に宝物のような作品。
2017/12/23
ペグ
(最初に左の、次に右のおっぱいをしゃぶり、どちらももう一滴の乳さえ湧き出させないと知って、マグダはしかし、文句も言わずにあきらめた。干からびた葉脈、死火山、閉ざされた目、冷気の巣穴。)東江さんの名訳‼︎私にとって大切な一作です。
2017/08/11
GAKU
短編「The Shawl」、収容所を囲う、電流を通した鉄条網に投げつけられて、ローザの赤ん坊は死んだ。1980年O・ヘンリー賞受賞作。その3年後に書かれた中編「Rose」、三十数年後。ホロコーストを生き延びたポーランド人ローザの哀しい人生。こちらもO・ヘンリー賞受賞。この二編が一冊にまとめられた本書「ショールの女」(原題:The Shawl)。二作合わせて130頁程。全編を通じ詩のような文体で淡々と物語は進む。けれども内容は重たい。読み始めた途端、惹き込まれ無我夢中に。気が付いたら読了。凄い作品です。
2016/03/11
ペグ
再再読。筋書きが判っているので細部を読み込むことが出来良かったです。直接的表現をせず表紙までもシルエットのみ。だからこそローザ達の姿がくっきりと浮かび上がります。シナモンとアーモンドの匂いのするショール。ローザにひとときのやすらぎが訪れますように‼︎
2016/03/09
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