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ドキュメンタリーは嘘をつく

ドキュメンタリーは嘘をつく

ドキュメンタリーは嘘をつく

作家
森達也
出版社
草思社
発売日
2005-03-01
ISBN
9784794213891
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ドキュメンタリーは嘘をつく / 感想・レビュー

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ゲオルギオ・ハーン

ドキュメンタリーディレクターでもある著者によるエッセイ。執筆当時(2003〜2004年頃)にマイケル・ムーアの作品が日本でもブームになり、メディアは「ドキュメンタリー映画ブーム」とした。しかし、著者は「マイケル・ムーアブーム」であり、ドキュメンタリー映画を事実を撮影したものではない、と否定するところから本書は始まる。映像作品とは制作者の意図が必ず入るものである、ドキュメンタリーの独自性とは作品のテーマについて制作者が自問し、葛藤しながら作り上げ、作品によって視聴者たちに問題提起をすることにあると読めた。

2023/12/17

阿部義彦

草思社2005年刊。ドキュメンタリー作家、森達也さんが草思社のPR誌『草思』に連載した物。私自身映像と言えるのは、テレビも映画もアニメもほぼ見る事は無く、森さんの作品も一つも見てないのですが、唯一本を通してその活動内容や考えを知るばかりなのですが、兎に角読ませるし、スルーされていたタブーや規制にメスをいれて分かりやすく腑分けしてくれます。筒井康隆好きにはやはり共通するツボがあります。『ドキュメンタリーが描くのは、異物(キャメラ)が関与することによって変質したメタ状況なのだ』セルフドキュメンタリー論が白眉。

2024/01/08

keiniku

再読。森達也って誰かわからずに読み始めて、そのあと、映画「フェイク」を見た後に改めて読んだ。ものを作る時に真摯に向き合おうと考えると、勉強と考察と実践が不可欠だと思う。それはどんなジャンルにおいても。自分の仕事の上でも、もちろんこのような思いは必要だ。毎回の仕事の度に思い返して自分を洗い直して取り組まねばならないと思った。 戦うこと、とにかく戦うことは大切だ。漫然と生きるまい。

2016/12/13

ふう

ドキュメンタリー論としてもただ単純にエッセイとしても普通に面白い。なんでもいいからドキュメンタリーを観たくなる読後感。何事に置いてもだけど大切なのはバランス、そして自覚なんだよね。私はなにかと白黒つけたがるからこういう本を読むと勉強になるというか自分を振り返るいい機会になった(まぁちょっとズルいなって気もしつつw)。彼が24時間テレビをどう観るのかすごく興味ある。(今生天皇はとりあえず置いといて)中森明菜はまじで撮って欲しい。

2017/10/12

mizzan72

うまく感想が言えないのだけど、僕がいわゆる「ドキュメンタリー映画」に感じていた幻想と信頼と疑念をすべて言葉にしてもらった気分です。本文中、強い主張の前には必ず「個人的意見」との断りがあるが、この本全体を支配する秩序とか信念にまったく淀みが感じられず論理的な乱れもない文章なので、なんというか、ただただ圧倒されて、同意も反論もできない気分を味わいました。森さんの映画はまだ一本も観ておりませんが、近くぜひ観てみようと感じる一冊でした。

2017/02/03

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