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文庫 昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか (草思社文庫)

文庫 昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか (草思社文庫)

文庫 昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか (草思社文庫)

作家
大塚ひかり
出版社
草思社
発売日
2016-12-02
ISBN
9784794222466
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文庫 昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか (草思社文庫) / 感想・レビュー

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Wagatsuma

語り継がれるものは、当たり前じゃないから残そうという力学が働くんじゃないかな、と思う。当たり前のものは、わざわざ記録に留めるまでもない。生活習慣とか、当たり前すぎて情報が残っていない為に、却って分からないことも多いと聞く。古典文学や昔話は、特定の人種にとって残すに足るもの、例えば庶民にはあずかり知らぬ世界観だから残ったのではないか。今に伝わる話の逆説こそ、多数派であり当たり前田のクラッカーなんじゃなかろうか。例えば、長生きした人の話が残るのは、珍しかったからではないか。その点、作者と私の見立ては、真逆だ。

2017/01/19

なぜ昔話では、老人が鬼や神と化すのか。それは老人が有する物語性だそう。老人には、その長い人生にふさわしい、変化に富んだ物語がある。老人ほど、容姿・言動・性格において、変化に富んだ存在はない。それは一個人の歴史を見てもそうだし、老人同士を比べても、「これが同じ人間なのか」と驚くほど。老人は「キャラクターが立っている」のだ。そういう極端さが、神にも鬼にもなり、いいお爺さんと悪いお爺さんという書き分けにつながっている。私も、少しでも神寄りになれる生き様を。

2017/06/15

じじちょん

福祉制度が確立されていて、「お年寄りは大切に」と道徳観も身に付いている現代であっても孤独死や貧困はなくならない。ましてや昔の暮らしは…。古文書や昔話を紐解きながら、死ぬまで働く貧しい暮らし、年おいても独り身が珍しくないシビアな暮らしぶりを解説している。 侘しい話が多いが、性愛や豪快な昔の高齢者の話も面白い。

2020/03/14

よみ

思いの外老人問題に切り込んだ内容でした。 「健全な老人は、尊敬・愛着の対象」「いったん老人に心身の衰えや、老衰・痴呆などの症状が現れ始めると、彼らは社会のお荷物となり、冷たくあしらわれることになる」…って、その通りなんでしょうけど、世知辛いですなぁ…。 昔話における老人が案外若かったのではないか、という認識が必ずしもそうではないことがわかっただけでも、読んでよかったです。 「黄金は大事にしてくれる人のところへ集まるだけだ」というのを肝に銘じておきます。

2017/07/27

邑尾端子

昔話の主人公が老人ばかりである理由を、前近代における老人の地位と彼らを取り巻く状況、前近代の老人観などから解き明かしていく一冊。意外と長生きだった昔の老人(前近代の平均寿命が短いのは乳幼児死亡率が高いからで成年の寿命は現代と差がない)、福祉制度もなかった時代において多くは貧しく社会的地位も低かった。だからこそ「金持ちになって幸せになりました。めでたしめでたし」の型に当て嵌めて万人の共感を得るにふさわしい主人公像あること、また老人は「善いおじいさん」「悪いおじいさん」といった極端なキャラクター付けがしやすい

2017/04/23

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