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99%のための経済学 教養編: 誰もが共生できる社会へ

99%のための経済学 教養編: 誰もが共生できる社会へ

99%のための経済学 教養編: 誰もが共生できる社会へ

作家
佐野誠
出版社
新評論
発売日
2012-12-06
ISBN
9784794809209
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99%のための経済学 教養編: 誰もが共生できる社会へ / 感想・レビュー

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おさむ

先日読んだ異端派経済学の紹介本がいたく面白かったので、監修した故・佐野誠さんの著書を拝読。フリードマンやハイエクといった新自由主義学者たちのおもちゃにされた南米で学んだだけあり、筋金入りの左派経済学です。ただ読めば読むほど腑に落ちるところが多い。アメリカは決して自由主義一辺倒の国ではなく、1970年代まではニューディール政策をはじめ様々な政府や社会の介入があった。先日の朝日新聞のインタビューでも米国経済は時代の変化に応じて柔軟に変わりうるとの指摘がありました。まだ希望は捨てない方がよいかも。

2020/03/18

みねたか@

1%の富裕層が富を独占し99%の暮らし向きは苦しくなっていく,そんな絶望的な社会を変える「共生経済」の実現に向けて著者が発信したブログをまとめたもの。世の矛盾や是正のための方策を,時に舌鋒鋭く,特にウイットに富んだ筆致でわかりやすく示してくれる。2012年の関越道高速バス事故について,「規制緩和で過当競争、人件費効率を上げるために労働生産性を高めようとした帰結で,規制緩和がもたらす経済テロ」と断じている。著者は2013年に逝去されているが,今次の観光船の事故を踏まえ,何を語られただろう。

2022/05/25

壱萬弐仟縁

8頁には共生経済社会の構図が描かれる。市民革命を通じて既存の共生を破壊する社会から、共生経済社会を構築する必要を訴えられた。著者は内橋克人氏の共生経済論からヒントを得ていることがわかる(36頁)。内橋氏にはわたくしも賛同できる。FEC経済(37頁)などで。公務員バッシングは、「しなないと、ころすぞ」らしい(62頁)。自殺しないと他殺? おぅ、こわ。TPPについては、特定秘密保護法のせいで、記者がスクープ記事を書けないという、読者の楽しみを奪い、知る権利を奪われることの理不尽を思う。

2014/02/03

おおにし

ラテンアメリカで見られる「おまかせ民主主義(委任型民主主義)」。これは大統領に選ばれた人物が、政法令といった手段を通じて恣意的に行政権力を行使するようになり、時には立法や司法を侵すことさえある…あたかも全権委任が行われたかのような、そんな風に進化した民主主義体制のことだそうだ。おや、これは日本のことではないか!著者がいうように白紙委任という「おまかせ」は日本の政治文化だったというのは間違いないだろう。その傾向は現政権でピークとなったように感じる。アルゼンチンならこの先市民革命が起きるところだが。

2014/09/03

May

経済学は実験室での仮説の正しさを証明することができない意味においては、新自由主義も共生経済も同じ立場でしかない。新自由主義の方が実証例が多いから、批判も肯定もしやすいに過ぎない(同じ視座によって見え方は違うのが当たりまえ)。何かを世間に訴えることは大事だし、力を持つときもある。しかし、それを実践することも大事だと思うから、99%のための経済を実践するにはどうしたらよいかを、もっと考える必要があると思う。(続く)

2023/03/05

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