冲方丁のこち留 こちら渋谷警察署留置場
ジャンル
「冲方丁のこち留 こちら渋谷警察署留置場」の関連記事
9日間の拘留から釈放・不起訴になるまで――冲方丁が語る、警察・検察・裁判所の「不思議な世界」
『冲方丁のこち留 こちら渋谷警察署留置場』(冲方 丁/集英社インターナショナル)
「この人はいったい、なんの小説の打ち合わせをしているんだろう」
身に覚えのない罪状で警察に逮捕され取り調べを受けることになった小説家、冲方丁は逮捕状の記載を見せられて、そう思ったという。『冲方丁のこち留 こちら渋谷警察署留置場』(冲方 丁/集英社インターナショナル)は、著者が主催したイベント会場で打ち上げをしていたところへ、突然3人の刑事が訪れて警察署に同行し逮捕されてから、釈放されるまでを描いたノンフィクションの物語である。身に覚えがないということは、誤認逮捕や冤罪のたぐいであり、普通なら悲劇である自らの体験を、著者は「馬鹿げた9日間」の「喜劇の物語」と語っている。それは何故か?
逮捕容疑は、妻の顔面を殴って前歯を破損させた傷害だというもので、「普通は殴ったほうの拳も傷ついているはずだろう」と著者は冷静に考えて反論するも、担当の刑事は「体のどこかが相手の顔にぶつかったのでは?」などと、さまざまなシチュエーションを挙げてきたそうだ。これは取り調べのテクニックで、反論…
2016/10/21
全文を読む関連記事をもっと見る
冲方丁のこち留 こちら渋谷警察署留置場 / 感想・レビュー
スパシーバ@日日是決戦
{2016年} 「週刊プレイボーイ」に連載されたものの書籍化。2015年8月、別居中の妻への傷害容疑で逮捕され9日間留置場に勾留されたのち釈放され、10月に不起訴処分が下される。妻の代理人から「私は夫を訴えていません」との書類が届く(ならば、だれが私を訴えた?)。にもかかわらず3000万払えば和解に応じると言う。警察の役割は被疑者の言いぶんを聞き事実を裁くことであって、取調室で自白を強要し、謝罪させ、そのうえ更生まで誓わせようとするから違法な取り調べになる、との鋭い指摘。「喜劇」と一笑に付すとは..。
2016/09/25
ずっきん
警察小説好きとして、留置所と取り調べのリアルな空気が非常に興味深かった。
2021/01/26
山田太郎
この前一時停止で警察に捕まって、見通しのこんないいところで減速だけで止まってないとか言われ揚げ足取りだろと思ったけど、ケンカしても勝てるわけないので、だまっていうこと聞いたけど、最後に安全運転心がけてくださいと言われ余計なお世話だと思った。ということで、奥さんとのところがはっきり書かれてないので、なんかすっきりしない読後感です。
2017/01/31
それいゆ
妻との間に何があったのか書かれていないので、何とも言いようがありません。そこが知りたいのですが、書くことができないのでしょう?もう30年前のことですが、私は刑事に調書を取られたことがあります。職場に出向いてきた刑事に長時間事情を聞かれ、調書に拇印を押すよう求められました。見事な作文でした。その当時は拒否することなど考えもしなかったので、言われるままに押しました。調書は、自分が供述したとおりの内容ではなく都合よく書かれていたので、異議を申し立てればよかったと悔やんでいます。今なら少し違った応対ができそうです
2016/11/23
鱒子
図書館本。妻へのDV嫌疑、手錠に椅子拘束、度重なる取り調べの理不尽さ。ーー奥さんサイドの事が全く分からないので、本書と事件の真偽のほどは、別の話とするしかないのかも。私にとってこの本は、有名作家による留置所体験レポート、かつ冤罪量産システムへの批判である という認識です。冤罪ならば、サイン、拇印、一切だめ絶対。勉強になりました。
2018/03/07
感想・レビューをもっと見る