あなたの隣の精神疾患 (インターナショナル新書)
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あなたの隣の精神疾患 (インターナショナル新書) / 感想・レビュー
しゃが
「身近な精神疾患の数々と、その対応法が理解できる入門書」らしい。心の病ほど臨床事例で同じものは一つもないと思っているが、久しぶりに新書を手に取った。共感できたのは<これは病気なのか>の章の<セルフネグレクト>と<歳を取り損ねる>だった。『歳を取れば、前頭葉の機能が低下して心のブレーキが利きにくくなる。子供の頃は年長者を敬うように教えられてきたのに、いざ自分が老人になったら敬ってくれないどころか親切にしてくれない。…今まで生きて身に付けたスキルが役に立たず、見知らぬ機器やシステムに翻弄されて気が休まらない』
2021/08/10
おいしゃん
タイトルもそうだが、小見出しひとつひとつが、実に興味深い。専門書を求める人や、この本を読んで病気を治したいというような人には正直向かないが、「こんな人がいるんだなぁ」「こんな悩みを持つ人がいて、こんな風に苦労してるんだなぁ」と気づかせてくれる。
2021/11/25
にゃおこ
誤魔化さず、誤解を恐れず、精神科疾病や業界のリアルをわかりやすく解説されていて、とても腑に落ちる内容でした。
2021/08/09
青葉麒麟
この著者の映画関連本を読んで面白かったので、本職の本を購入。ちょいちょい難しい部分もあったけど、判りやすくてタメになりました。新型うつに関して感じていたもやもやを精神科医の観点で説明していたのでスッキリ。
2021/07/22
原玉幸子
著者の、内容、構成、語り口をひっくるめた文筆力の高さと、精神疾患の患者と家族、そして「時代の切り取り方」の秀逸さに吃驚するいい新書でした。例えば、精神分裂症を統合失調症に精神疾患の呼称が時代と共に変わるのは分かりますが、時代の変化と共に患者が増減し症例自体が変わるのは、言われてみて「そうだなぁ」との納得半分、一寸した驚きです。それらを診て感じて来た著者故の説得力と迫真性、そして「精神科医こそが人間の内面を言語化する能力に長けていなければならない」と思わせる安心感があります。(◎2021年・秋)
2021/09/18
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