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童提灯 (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)

童提灯 (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)

童提灯 (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)

作家
黒史郎
出版社
創土社
発売日
2015-08-12
ISBN
9784798830261
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童提灯 (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ) / 感想・レビュー

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Bugsy Malone

主人公アザコは二十歳で十の儚い娘にしか見えぬ美しい男。酷い仕打ちを受け、挙句捨てられたアザコの物語は、やがて人の世に非ず世界へと。身体から汁を滴らせ、あるいは瘤を拵え人をとって喰う鬼や天狗。怖気付く描写の中に現れる鬼たちの悲しさ。そして鬼を生み出したどこまでも悍ましい人間たち。クトゥルーに山の概念をも取り入れ、とんでもない純日本ホラーを作り上げたものだ。アザコの気持ちもわかる。

2019/08/30

sin

本文中では明かされないが、“ラゴゼ・ヒイヨ”…作者がこの世に導き出した今世紀の新しい邪神の下に美童が辿る鬼畜の世界。人の蛮性と異形の獣性が世の中を暗く染め上げた救いの無い世界が描き出される。美童は生まれついたサガによって虐待を耐え、やがて童提灯の製造に関わって行き…その間、破壊創造に調子付いた作者の筆によってその描写は病的に悍ましさを増していく。後半に来て気づいたがこの物語はある意味ボーイズラブなのかもしれない?

2015/08/24

ラルル

いやー良かった。面白かった。いや、楽しかったの方が正解か。 万人受けするとは思わないが個人的に凄く好みです。アザコの設定が隅から隅まで完璧で感心します。ここまで読み手を惹きつけ、ノンストレスに好感を抱かせる主人公を私は知りません。文章も読みやすく、本の厚みの割にどんどんページが進みます。ラストも爽快。 作中 一箇所だけ言わせてもらうと、鬼や化物が大量に闊歩するシーンに入ると表現が若干しつこい。沢山の造形を表現したい気持ちは凄くよく判りますが1/3まで抑えていたらもっと良かった。でも十二分に楽しい作品でした

2018/03/20

miroku

黒さんの文章力。ホラー要素に目が行きがちだが、あえて文章力を褒めたい!

2016/03/13

モヒート

成長しない体、苦痛と恥辱に満ちた日々。父に棄てられた主人公アザコは山に立ち入り、鬼の為の「童提灯」を造る道を選ぶ…という話。『獣王』『夜は一緒に』もそうだけど、この作家さんは異形の出産や母子の描写に物凄く力入れるな。子供を素材にした提灯のおぞましさや、人が変じた鬼の哀切と醜悪さが濃厚。鬼化した杏婆は、正直カッコいい。アザコが最後に見る夢が暖かすぎて辛いが、希望を見つけた終わり方ではあった。所々で人心を操って破滅に導く、長身痩躯に浅黒い膚の黒衣の男って、やっぱあの這い寄る方ですか。

2016/04/17

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