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木曜日にはココアを (宝島社文庫)

木曜日にはココアを (宝島社文庫)

木曜日にはココアを (宝島社文庫)

作家
青山美智子
出版社
宝島社
発売日
2019-08-06
ISBN
9784800297129
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「木曜日にはココアを (宝島社文庫)」のおすすめレビュー

「もう頑張れない」と思ったあなたにココアのように沁みる。全12色の煌めく連作小説

『木曜日にはココアを』(青山美智子/宝島社)

 私はいつも何のために、あるいは誰のために毎日頑張っているんだろう…。長い人生や日常の中で、そう思い悩み、立ち止まってしまうことは誰にだってある。努力していても報われるとは限らないかもしれない。時には現実に疲れて絶望してしまうこともあるだろう。けれど、そんな“不器用な生き方”を送っていても、あなた自身が知らないうちに、誰かの希望や支えになれていることもあるかもしれない。

『木曜日にはココアを』(青山美智子/宝島社)は、頑張り続けて、でも疲れ果ててしまったという人に、日々を生き抜くエネルギーをもう一度与えてくれる作品だ。本作は刊行されて以来多くの人々から支持され続けてきた人気作であり、満を持して手に入れやすい文庫として発刊された。

■12色のテーマカラーで紡がれる「何気ない」日常の繋がり

 連作の舞台となるのは、静かな住宅街の隅に存在しているという小さな喫茶店「マーブル・カフェ」。1杯のココアから始まる全12編のエピソードには、登場人物たちの日常で起きた“小さな出来事”が描かれている。

 毎週木曜日に決まって同…

2019/8/6

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『月曜日の抹茶カフェ』が待望の文庫化!一軒のカフェを中心とした“つがい”の物語――青山美智子インタビュー

 ※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年7月号からの転載になります。

 『お探し物は図書室まで』と『赤と青とエスキース』、『月の立つ林で』が本屋大賞に3年連続ノミネートされ、うち2作が2位に輝いた青山美智子さん。このたび文庫化された『月曜日の抹茶カフェ』は、累計29万部を突破したデビュー作『木曜日にはココアを』の続編にあたり、著者自身が「原点回帰した」と語る重要な作品だ。その想いを、改めてうかがった。

取材・文=立花もも 写真=田中達也(ミニチュアライフ)

『月曜日の抹茶カフェ』宝島社文庫 760円(税込)  単行本が刊行された2021年のインタビューで「作家として4歳を迎えたタイミングでこの作品を書いたことで、改めて原点回帰できたような気がする」と語っていた青山さん。 「インタビューを受けた時のことを振り返ると、作家として駆け出しのまだまだこれからというときに原点回帰だなんて、恐れ多いことを言ったなと反省しています(笑)。ただ、その勢いがあったからこそ書けた作品でもあって。今の私なら、観光でしか訪れたことのない京都に暮らす人々を、お抹茶や和菓子…

2023/6/8

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『あさイチ』でも話題に! ミニチュア写真家・田中達也が「装画」を手掛けた、見惚れてしまう本

『MINIATURE LIFE at HOME ミニチュアライフ アットホーム』(田中達也/水曜社)

 NHKの情報番組『あさイチ』に出演(10月1日放送)し、話題になったミニチュア写真家・田中達也さんをご存じだろうか。Instagramのフォロワー数は320万人超。2011年から毎日SNS上で発表しているアート「MINIATURE CALENDAR」では、日用品とジオラマ用人形を組み合わせたユーモアあふれる世界を生み出している。ブロッコリーの小さな木陰に憩う一家。連結したコッペパン電車に乗り込む旅行客。プールに見立てられた青いマスクを泳ぐ水泳選手…。ミニチュアの視点でみると、日用品は全く別のモノに見えてくる。2017年のNHKの連続テレビ小説『ひよっこ』のタイトルバックを担当した他、田中達也さんは、書籍の装画も多く手がけている。そこで、田中達也さんが装画を担当した書籍を紹介! 遊び心あふれた装画を見ていると、ついつい本の中身も気になってきてしまうに違いない。

2021/10/8

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木曜日にはココアを (宝島社文庫) / 感想・レビュー

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へくとぱすかる

連作短編という形式の良さを読ませてくれる作品。なぜオーストラリアで、なぜシドニーなんだろうと思ったら、作者自身の経験を投入してるんですね。だからこそ街が生き生きと描かれているのか。視点はエピソードのたびに入れ替わっていきます。世の中はつながっている。そして見捨てたものではない。世の中のすべてが、こんなに幸せだとまでは言わないけど、こんなふうにみんなが繋がっていければなぁ、と、あたたかい物語の夢を見させてくれた一冊でした。まずは自分からやさしくなろうと、そんなふうに感じます。ココアさんよかったね。

2021/08/25

しんごろ

人生いろいろ、そろいも揃った12色。男もいろいろ。女だっていろいろ。それでも、そこには縁がある。縁には距離は関係ないね。それが東京だろうがシドニーだろうが。どこの国だろうと、この物語を読めば、オシャレでナウいカフェに行きたくなる。(ナウいは余計か)それにしても、マスターは只者ではないな。縁がつながり、気持ちがポカポカ、ハッピーにさせてくれる物語。最初も良ければ終わりも素晴らしい。人にオススメできますね。ただし読む時に注意事項があります。読む時はお熱いので、お気をつけください。

2020/02/15

登場人物が繋がっている短編集。読みやすい。全編優しくて幸せな話。最初と最後のカフェマーブルのココアさんの話が1番好きです。人と人とは繋がっていて、みんな誰かを想い誰かに支えられ支えながら生きており、ほんの一歩踏み出す勇気、誰かの一言による人生観の変化等々、些細な出来事も大きな影響力を持つのだなと思いました。人との出会いやふれあいを大事にしたいと思えました。

2019/10/12

寂しがり屋の狼さん

ああ✨読み終えたいま、とても穏やかな気持ちでいます🍀マーブルカフェ☕️隠れ家のような喫茶店の一杯のココアから始まる物語は登場人物がバトンを繋ぐようにシドニーへ…✈️✉️綴られた12の物語はどれも心が暖まります。『聖者の直進』『半世紀のロマンス』『恋文』はお気に入り☆今日はココアを飲もうかしら(#^.^#)💓

2019/07/27

さてさて

『スイッチをオンにしたい時にはコーヒーやミントティーを飲むことが多いのですがオフにしてくれるのがココアかもしれません』と語る青山さんが描くココアを書名に冠したこの作品。オンではなくオフの落ち着いた気持ちの中にこそ人生の次の一歩を踏み出す起点は用意されているのかもしれません。ほっこりとした安らぎを私たちに与えてくれるココア。『安心できる信頼感』を与えてくれる飲み物の名前を女性の呼び名にする『僕』の物語が起点となるこの作品。思った以上に深くそれでいて優しく穏やかに語りかけてくれる人の優しさに溢れた絶品でした。

2020/12/14

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