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ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活

ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活

ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活

作家
國友公司
出版社
彩図社
発売日
2018-09-27
ISBN
9784801303324
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「ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活」のおすすめレビュー

偽名OK! 前科不問の仕事とは? 西成あいりん地区で暮らした78日間

『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(國友公司/彩図社)

 大阪府大阪市西成区の北部、JR新今宮駅の南側に位置する通称「あいりん地区」。日雇労働者が多い地区。1泊800円~1500円くらいで泊まれる日雇い労働者向けの簡易宿泊所が立ち並んでいる。最近では海外からのバックパッカーたちにも人気で、ユーチューバーたちの「泊まってみた」もよくあるネタだ。

 でも実際のところ、このエリアにはどんな人たちが集まり、どんな暮らしを営んでいるのか。そんなことに関心がある方に読んでいただきたいのが『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(國友公司/彩図社)だ。

 著者の國友氏は、筑波大学を7年かけて卒業したものの、出版社へ就職できずにフリーライターの道を選ぶ。そして彩図社を訪れた際に「原稿が面白ければ本にする」と言われ、西成ルポを書くことに決め、あいりん地区に滞在。結果、78日間を過ごすことになった。

 著者が本書に記した西成での主な体験は以下の通りだ。

1.ドヤでの宿泊体験 2.解体作業現場での就労体験 3.従業員寮(飯場)での宿泊体験 4.貧困ビジネスのプチ体験 5.ドヤ従業員…

2018/10/30

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ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活 / 感想・レビュー

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gtn

西成のドヤに住み、肉体労働をしながら動物的に生きるうちに、「社会の役に立たない人間には存在価値がない」という人間的な考えがもたげる著者。その思いが脳裏を支配するとき、自死の可能性さえあることを本書は示す。

2020/07/26

ma-bo

著者が実際に潜入したリアルさは感じたが、文章の端々に西成あいりん地区に住む人達を見下した書き方があり気になっていた。 ただあとがきに、この街にいる人間を見下していると言えばそうかもしれない。逆に私(著者)のような人間がこの街にいることが恐れ多い様な気もするのだとあり、適切な表現かどうかはわからないが腑に落ちた。

2019/02/24

さとか

西成という、全国でもトップレベルの高犯罪率地域を、大学出たての著者が文字通り体当たりでリサーチ。飯屋と呼ばれるドヤに住み込み、得体の知れない男たちと底辺土工として働いたり、生活保護者が長期滞在するホテルで従業員になったり。。。周りの環境が、底辺に落ちた人間を這い上がらせないような悪循環を作り上げているんだなぁ。勿論、本人の資質もあると思うが、覚醒剤があれほど横行しているとなると、更生にはものすごいエネルギーが要りそう。何より、体当たりルポを作った著者に拍手したい👏女性では知りたくても知れない世界だから。

2020/12/05

何だろうこの、平易なのに確実に消耗させられる文章。読むのに時間がかかってしまった。著者が若いからか、実際潜入すれば仕方ないってことなのか、差別意識が隠し切れていない感じ。そしてそれはドヤ街で暮らす登場人物皆同じで、「自分だけはこいつらとは違う」「訳あって仕方なくここにいる」という意識が交差する。差別の始まりは自分カワイイなんだなってことがよく分かる。このあたりのことを著者は、「こういう体(てい)で生きているという設定」があり、相手も「あなたはそういう体なんですね」と受け取るのだと分析する。ごめんなさいよ。

2022/06/24

detu

西成あいりんちく地区。TVの報道などでたまに目にする程度。いわゆる日雇い労働者が集まってる場所ぐらいに思ってた。読んでみるといやはや何とも、である。安倍や麻生のように生活保護など切り捨ててしまえとも(安倍政権はみとめないけど)貰った金は飲む打つに消える。社会復帰の見込みなど更々見えない輩ばかり。また肉体労働者達は命懸けの解体作業で働くも半分ピンはねされるという労働環境。それでもここしかないのだと。前科者、逃亡者、シャブ中何でもありで想像すらつかない。最底辺の人の集まり。世の中上も下も限り無しということか。

2019/01/06

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