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奇々耳草紙 死怨 (竹書房文庫)

奇々耳草紙 死怨 (竹書房文庫)

奇々耳草紙 死怨 (竹書房文庫)

作家
我妻俊樹
出版社
竹書房
発売日
2016-09-29
ISBN
9784801908611
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奇々耳草紙 死怨 (竹書房文庫) / 感想・レビュー

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夢追人009

我妻俊樹さんの持ち味は読む人によってはイライラする程に意味不明で一切の解釈を拒否する不可解な迷宮の如き奇妙な味の物語でして中には胸が悪くなる事間違いなしのえげつない話もありますのでご注意して下さいね。全61編の中で割と理解し易い2編を紹介しますね。『避暑』エアコンが故障した為に夜だけ友人宅に泊めてもらった所、別格の涼しい家があって理由は昔の処刑場だからだとの事で、夜中に「拙者」と話す声が聞こえて来た。『掴む手』咲希さんは幼い頃にした怪我の所為で右手の指が曲がらず物を握れないのだが時々その手が無意識に動く。

2020/10/25

HANA

実話怪談集。ああ、これはいい。読んでいて悪夢の中を彷徨わされるような感じを受ける。そこには霊も狂人も存在せず、ただ起こった出来事だけが淡々と記されている。ただその出来事が釦を掛け違えたかのように、どこかずれていて非常に居心地が悪い。不条理や不安と言った「怖い」よりも質の悪い感情が呼び覚まされる。何となく百鬼園先生、それも『東京日記』の各編を思い起こさせられる。特に「かんのん館」や「街の祠」、「蛇長蛇男」は出色の出来。それは何かが起きたのにそれが何なのかはわからない、しかし唯々怖い。これこそ怪談である。

2016/12/02

澤水月

今回は気のせいか以前の書より解体してしまった家族、ひび割れのきっかけ、不仲…など胸が苦しくなるような「寄る辺ない」話が多かったように思う、時代の反映なのか著者の心境或いは環境の変化か…それがまた味わい深く百閒「冥途」の亡父を土手で呼び泣く話を想起させられた、好きな文だ。上司の遺言、蚊、ゆつれゆく息子…著者独自筆で紡がれる不可思議な夢幻にいつまでも浸っていたくなる。素晴らしい文学に昇華している、けどゾッとする話ばかりなので表紙と題名で敬遠する人がいるのではと危惧する…

2016/09/30

ラルル

面白いですよねぇ我妻さんの怪談って。彼にしか書けない独特の角度がたまりません。あとがきの話も大好き。こうした話、どんどん書いて欲しいです。「幽霊はいません」好きです(笑)

2017/03/04

J7(読メ低浮上中)

我妻俊樹さんを勧められた時の友人の一言は"この人はえげつないよ、と"読んでみた結果・・うん、確かにえげつない。このえげつなさは強いて例えるなら、一見無害で真面目そうな人の口から唐突に、変態的な欲望を聞いてしまった時のような感じ。平熱な文体から突如顔を覗かせる電波的な怪異は、読んでいるものの判断を試してくるような意地の悪さすら感じる。恐怖には"わけのわからなさ"からくるものもあるけど、この微妙にズレた異世界は笑えないジョークを聞かされた時のような戸惑いと不快感を誘う。でも冗談で言ってなさそうなのがまた怖い。

2016/12/22

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