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忌印恐怖譚 めくらまし (竹書房文庫)

忌印恐怖譚 めくらまし (竹書房文庫)

忌印恐怖譚 めくらまし (竹書房文庫)

作家
我妻俊樹
出版社
竹書房
発売日
2018-10-30
ISBN
9784801916548
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忌印恐怖譚 めくらまし (竹書房文庫) / 感想・レビュー

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夢追人009

まさに「めくらまし」という題名がピッタリな飛び切りの奇妙奇天烈な怪異譚集ですね。もう悪夢と呼ぶしかない実話だと信じるのが無理な不気味な話ばかりで奇譚マニアの欲望が満たされ大満足しましたね。『石碑』彼女と地元の博物館に出掛けた誠太さんが先に出て裏庭をぶらぶら歩く内に石碑を見つけるのだが何とそこには誠太さんと彼女の名前が彫られていた。出口で彼女を待つが中々来ないので裏庭に戻ると彼女がいて再び石碑を見ると驚く事には彫られた名前が彼女と悪友タカハシに変わっていた。彼女は何を言っても答えず、震え慄き失禁してしまう。

2020/11/03

HANA

実話怪談集。相変わらず読んでいるうちに何かが忍び寄ってくるような薄気味の悪い文体は健在。内容は最近の実話怪談で主流の実生活にポツンと穴の開いたような奇妙な出来事が主流なんだけど、それが著者の筆遣いとマッチした時他にはない味わいが生まれているように思う。特に「浮かんでいる八百屋」とか「斎場行き」とかは、脈絡が無いのに気持ち悪いというシュールレアリスムの怪談版みたいな話。後、話の背後にある何かを連想させる「よく当たる占い師」的な話も良かったな。逆にストレートすぎる話は著者の持ち味を殺しているような気がするが。

2018/12/18

瓜坊

今見えている世界のうち、明らかに「怖いもの」を黒く塗り潰すと、残った余白は「怖くないもの」になる。普段は黒いところに気づかないふりをしてその余白だけに目をやって生きている。さて、「怖くないもの、ではないもの」は塗り潰した黒なのか、というと、いやそうではない。乾く前の二色の水性絵具が混ざるように、白い日常が侵食されて、そのじわっと灰色がかった領域ははたして怖いのか怖くないのか。この怪談集を読んでると、まずそんな領域があることを認識できる。ベタに思える真っ黒のところから、淡い部分も多種多様。

2019/03/13

澤水月

悪い性夢にうなされるかのような 黄色いエレベーター がとにかく印象的。D・クローネンバーグの映画ビデオドロームの世界のような。掌編でも少し長めでもネタを独自に自在に料理する腕すごい

2018/11/12

やんも

筋の通った因縁話はもういい。訳のわからない、考察もできない、出会ったが不運な、そんな通り魔のような怪談が読みたい! という、実話系怪談ファンの極北にいるわたしには、我妻さんの不条理で奇奇怪怪な怪談がたまらない。まさに「めくらまし」。怪異極まりない現象の背後に、彼岸の「道理」があるのかもしれないが、語り手の体験の奇妙さがめくらましになって、そんなものは見えてこない。

2018/12/09

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