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忌印恐怖譚 みみざんげ (竹書房文庫 HO 387)

忌印恐怖譚 みみざんげ (竹書房文庫 HO 387)

忌印恐怖譚 みみざんげ (竹書房文庫 HO 387)

作家
我妻俊樹
出版社
竹書房
発売日
2019-05-29
ISBN
9784801918795
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忌印恐怖譚 みみざんげ (竹書房文庫 HO 387) / 感想・レビュー

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夢追人009

我妻俊樹さんは、やはり只者ではありませんね。最初の方は体が温まらずに今回はやや硬いかなと思っていましたが、頁を繰る内に段々と調子が出て来て何時もながらよくまあこんな事が書けるよなあと恐れ入りましたね。迷った末にこれに決めました。『深夜バス』決算期の残業で遅くなった会社員の康広さんは久し振りに割高料金の深夜バスに乗っていた。寝不足の頭を上下させながら窓の外をやけに明るい看板が通り過ぎるのを見た。暫くすると再び見えたのはラブホテルの看板で〈HOTEL すぎばやし〉と読め、その後に彼はみたび同じ看板を目にする。

2021/01/04

HANA

実話怪談集。世の中には居心地の悪い事がある。一見普通の出来事なのに、どこか位相がずれたような。派手な出来事は一切無いと言うのに、とても据わりが悪い。斯様な話が集められた一冊。何かが起きている事はわかるのに何が起きているのかわからない、というのは怪談の一つの極みだと思うけど、その類が余すところなく披露されており非常に満足。特にその傾向が強いのが「ヒロエおばさん」なんだけど、他にも繰り返されるフレーズが印象的な「つくし」とか、筒井の「マグロマル」みたいな「ベンシン」も忘れがたい印象を残す。いや、面白かった。

2019/07/17

澤水月

繋がりはない話ながらつくし、べんしん、マリンの不気味な流れが最高。つくしは少しホラーみあると自分も思ってた! そしてHOTELすぎばやし…気になる…

2019/06/05

やんも

不条理な我妻さんの世界へようこそ。いつもの如く、本書でもなんの因縁も由来もわからぬ、異世界を覗き込んでしまったような話がずらりと並ぶ。その中にあって、「死んだ誰々の深い恨み」や「心霊スポットに凸した結果」による恐怖体験のほうが、まだ此岸の理が通じるようで、読んでホッとしてしまう。「本当にコワイのは人間」というのならば、人間である自分自身も恐怖の対象になりうるのではないだろうか? いつか自分も誰にも信じてもらえない体験をし、狂気に取り憑かれるかもしれない。そして体験を誰かに語り終えて消えてしまうのかも。

2019/06/23

ぶうたん

怪談ではなく奇談集。それでも不思議なことは具体的なことが多くて、個人的にはもっとそこはかとない、見えない部分に隠れているような不思議さでも良い。たとへば団扇のような頭の親子が出てくる話があるが、普通の親子でも佇まいに忌まわしさや、不気味さが出ればもっと奥ゆきが出るかもしれない。他にも「ベンシン」などは怪異のようなものは無くても不条理な怖さは出るに違いない。いずれにしても好みの作風だし、今後も支持をしていきたいと思う。少し前に同人誌的な詩集が出ていたようだが、買い逃したのが返す返すも残念。

2019/07/14

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