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琉球奇譚 ベーベークーの呪い (竹書房文庫 HO 398)

琉球奇譚 ベーベークーの呪い (竹書房文庫 HO 398)

琉球奇譚 ベーベークーの呪い (竹書房文庫 HO 398)

作家
小原猛
出版社
竹書房
発売日
2019-08-29
ISBN
9784801919877
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琉球奇譚 ベーベークーの呪い (竹書房文庫 HO 398) / 感想・レビュー

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夢追人009

沖縄怪談の第一人者・小原猛さんの怪談噺には独特の味があって心を魅かれますね。沖縄の方言で「キーブルダッチャー」という言葉は鳥肌を立てるという意味ですので、この機会にぜひ覚えて下さいね。『墓場の声』名城さんは若い頃ひどく貧乏で、ある日彼女とイチャイチャしたくなり何処にも行く場所がなかったので仕方なく自分のお墓に彼女を案内した。夕暮れになり二人はそこにブルーシートを敷き、いちゃつき始めた。すると開始早々、くぐもった野太い叫び声が聞こえてきた。「よそでしろっ!」「え?」びっくりした二人が凍り付くと再び声がした。

2022/04/13

HANA

実話怪談集。この人の本を読むたびに、現世と死後の世界、異界が重なり合うような独特の沖縄が頭の中に思い浮かぶ。内容も妙に陽気で怖いというより祭りの後を思わせる一抹の寂しさを感じさせる、そんな作品が多い。特に顕著なのは「死者は踊る」。こういう冥界と現世の独特の交流は大好きである。行列のシーン等絵巻か映画のラストみたいに独特の感傷を持って迫ってくるし。他にも「フツ」「呪いを込めて焼く」のような沖縄独特の呪法を扱ったものや、ウチナーグチの題名の諸作、凡百の実話怪談とは一線を画す独特の空気を纏った作品ばかりでした。

2019/10/03

ネムコ

琉球奇譚、第三弾。やっぱり小原さんの沖縄怪談は好きだ。沖縄のお話にはちゃんと因と果がある。神様や亡者との付き合い方にルールがあり、それを知る人がいて、何かあれば彼らを頼るのが当たり前。生臭い話も血生臭い話も、沖縄のそれは「物語」のようだ、

2019/09/10

かおりんご

ホラー。地上戦が行われた土地だからか、まだまだ戦争に関する幽霊譚が残っているのだと感じた。怖いのだけど、小原さんの本を読むと沖縄に行きたくなる。神ダーリを自然に周りの人が受け止める環境というのも、沖縄という土地に興味が湧く要因の一つ。

2021/06/17

澤水月

8月末刊行の本書、自殺考えるほどしんどい人々が少しでも読むといいなとまず一番に思った。死や禍々しいものへ誘う力と生きる力のせめぎ合い…沖縄というさまざまな歴史ある地ならではのの包容力で人の弱さ醜さ、強さ気高さが種々に噴出する怪奇譚。小原さんの文は綺麗事なく、押し付けがましくない。人知及ばぬ恐ろしいモノ、人の理不尽な仕打ちが手練れの筆でちゃんと怖くかつ優しく描かれる。ラスト数話…特に人生に絶望した女性が魅入られたフスグドゥンが素晴らしい。表題作ほか小さな畑をめぐる怪異、陽気な音楽と死者など全てよく構成も見事

2019/09/01

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