ボクの穴、彼の穴。
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ボクの穴、彼の穴。 / 感想・レビュー
とよぽん
タイトルから想像して、いじめの話かな?と思っていたが、違っていた。フランスの作家の絵本で、松尾スズキさん訳である。いきなり「戦争です!」で始まる。若い兵士が2人、砂漠の穴に潜んで互いの様子を探ったり攻撃したり・・・。でも、孤独でひもじくて、もう戦争なんて終わりにしたいと思う。「戦争のしおり」に洗脳され、人間を捨てる寸前で、ボクと彼は行動を起こした。短い物語だが、とても深い内容で読んだ後からじわりじわりと迫ってくる。2008年12月初版。これは、小学生には少し難しいかも。
2020/11/14
shoko
『まってる。』と同じ作家&絵描きの二人による作品。『まってる。』に引き続き戦争が題材となっている。/戦争では人は視野が狭まり盲目になる。戦争では戦う相手の個性はなくなり記号化される。そして、これらの現象は対称的である。そんな戦争の性質を見事に絵本のシンプルなストーリーに昇華した作品。/オリヴァー・ジェファーズが好きな絵本10冊のうちの一つ。
2022/09/02
ヒラP@ehon.gohon
相手も同じ人間なんだと本当に理解できたら、兵士にとって戦うことは、なんて虚しいものではないでしょうか。 そんなことをしみじみと考えさせられました。 今、終わりも見えず戦争を続けている国を見て、改めて再読しました。 でも、一人で考える時間があったから、兵隊さんはたどり着いたのです。 教え込まれたことを信じるうちは、敵はオオカミなのです。 こっちが殺らなければ、殺られてしまうという意識が、憎しみではなくて恐怖なのです。
2015/03/14
おはなし会 芽ぶっく
舞台になっていたんですね。松尾スズキさんですものね。この本とどちらが先なのかは分かりませんが。とても分かりやすく戦争が描かれた絵本。相手に対しての思い込みや、自分がやっていることの正当化を、「戦争のしおり」という洗脳を表している。文章も短くあっという間に読めてしまいますが、とにかく深く、心が痛くなりました。
2020/10/28
Cinejazz
塹壕戦!砂漠の中の二つの穴に兵隊が潜んでいる。ボクも、敵兵の彼も、穴から顔を出さずに、相手の気配を伺っている...戦友は亡くなってしまい、誰も来てくれない。ボクは孤独だ。彼もきっと、同じように孤独だろう...何週間も何ヶ月も、大砲の音を聞いてない。もしかしたら、戦争は終わった? 世界は、まだ、存在するのだろうか? 考えても、しようのないことを考えてしまう。 ああ...。彼も疲れているだろう。「戦争をやめて、家へ帰ろう」 ハンカチにメッセ-ジを書いて、瓶に栓をして、彼の穴に思いきって投げた・・・。
2023/05/22
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- 出版社
- 光村図書出版
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- 2023-06-26
- ISBN
- 9784813804383