かのひと 超訳 世界恋愛詩集
かのひと 超訳 世界恋愛詩集 / 感想・レビュー
kana
教科書に出てくるような、図書室の片隅で埃をかぶった本に収録されるような詩や短歌を現代の感覚で「超訳」し、美しい挿絵と共に掲載するこのシリーズ。cakesの時から好きだったのですが、まとめてみるとまた良いです。たとえばあの小野小町の名歌は≪いまでは/花の色も あせてしまった/桜に降る 春の長雨/ほんのひととき/移ろう恋に身を寄せた/かつての私は 綺麗だった≫となる。元の歌も素晴らしいけれど、本詩集により千年の時を超えて小野小町の想いがより多くの人に届けられ、誰かの苦悩を救うかもしれない。なんてロマンチック!
2018/09/08
ロア
新訳ではなく「超訳」です。古い時代の恋愛詩へのオマージュなので、 元の詩とは別物として楽しみましょう (*´ㅈ`*) この中では、杜甫、陶淵明、ゲーテがお気に入り。どれも風が吹いている詩でした。聞こえるのは風の音だけ。。。その情景を思い浮かべるだけで、静けさに心が休まります。
2017/08/19
紫羊
馴染みの作品ばかりで楽しく読めた。 マックス・ジャコブの「地平線」は旧来の訳の方が好き。菅原訳は現在進行形の恋だけれど、旧来の訳の方は終わった恋。 作品ごとに添えられた、開かれたページのイラストも意味ありげでイメージが膨らむ。
2018/10/09
ロア
2年半ぶりに再読。今回グッときたのは、モテ男在原業平、色っぽい与謝野晶子、胸キュンゲーテ先生(∩^ω^∩)特にゲーテ先生の「超訳」オマージュ恋愛詩が良い感じ♡優しい春の風がふく午前二時の東京環七沿いを、彼女のことを思いながらてくてく歩きます。BGMはサカナクションのユリイカがぴったり🎶(*´ω`*)
2020/01/26
柚木あんづ
シェイクスピアや小野小町などの古典をモチーフとした、菅原敏さんの現代詩35篇。この本良い…。超訳だけど、すごく自然に没入できて、原文だと諦めそうな詩も、うっとりしながら読んだ。杜甫の「国破れて山河あり」の、原文をぐぐっとアップにしたような切り取り方、好き。みだれ髪はエロティックなラストが強く印象に残っている。豊富な久保田沙耶さんの絵も美しい一冊。詩に詳しい方は、出あい直しとしても面白いと思うし、原文を手に取るきっかけにもぴったりだと思う。巻末の詩人略歴で、次の詩集へとすすむ招待状を頂いた気がする。
2022/02/07
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