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霊 星新一・室生犀星ほか (文豪ノ怪談 ジュニア・セレクション)

霊 星新一・室生犀星ほか (文豪ノ怪談 ジュニア・セレクション)

霊 星新一・室生犀星ほか (文豪ノ怪談 ジュニア・セレクション)

作家
星新一
倉橋由美子
水木しげる
室生犀星
東雅夫
金井田英津子
出版社
汐文社
発売日
2017-04-05
ISBN
9784811323312
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霊 星新一・室生犀星ほか (文豪ノ怪談 ジュニア・セレクション) / 感想・レビュー

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mocha

シリーズ最終巻は比較的近年の作家さんが多くて読みやすかった。星新一『あれ』人知の及ばぬ人事の話。さすがの切れ味。/倉橋由美子『霊魂』エロティックな死霊婚姻譚/岡本綺堂『木曽の旅人』迫り来る雰囲気にドキドキ。海外作品のような味わい。/室生犀星『後の日の童子』親子の愛情に満ちた静かでやるせない作品。映画を観てみたい。/水木しげる『ノツゴ』鬼太郎誕生秘話?いやフィクションだよね。/三浦哲郎『お菊』晩秋の透き通る風が香るような可憐な幽霊。/久生十蘭『黄泉から』既読。雰囲気は好きだけど主人公が鼻持ちならない。

2018/08/30

mii22.

ジュニア向けの文豪怪談アンソロジー3冊目。「霊」がテーマ。ジュニア向けだがすべて原文を使用、分かりやすく総ルビ詳細な注釈がつけられている編集のセンスのよさが光るシリーズ。「霊」といえば幽霊、怨霊といったいかにも恐ろしげな怪談をイメージしがちだが、「たましい」とすれば人そのものであり人間のうちなるものという見方にもなる。この世に心を残して去っていった人の「霊」のお話には哀切なものが多い。

2021/08/22

モモ

星新一『あれ』ホテルの部屋に現れた謎の人。そこから始まる意外な話。倉橋由美子『霊魂』死んだ許嫁の霊が現れる。これはジュニア向けではないような。岡本綺堂『木曾の旅人』旅人になぜか怯える息子と犬。何が見えていたのか、その結末が怖い。室生犀星『後の日の童子』室生犀星が亡くなった長男を悼んで描いた作品。亡くなった子が時折家に現れて、そしてまた去っていく寂しさと悲しみ。水木しげる『ノツゴ』平田篤胤の生まれ変わりの話を思い起こさせる、穴に埋められ苦しい夢。夢の場所をたどったら、まさかの事実に驚く。盛りだくさんの一冊。

2021/01/17

ちえ

岡本綺堂「木曾の旅人」は何回も読んでいるが何度読んでも背筋がざわざわする怖さ。星新一「あれ」倉橋由美子「霊魂」お二人の本は学生の頃随分読んだがこの二作は共に初読。前者は「あれ」としか表記されない会社の「それ」にぞわり、後者は亡くなった婚約者の霊魂との生活はなかなかエロチック。室生犀星「後の日の童子」は亡くなった子どもへの深い哀しみが伝わって心がしんとなり、そして最後が寂しい。三浦哲男「お菊」九生十蘭 「黄泉から」は亡くなった人たちの心残りに〈供養〉という言葉の意味を思う。 ↓

2021/07/09

ベル@bell-zou

一体何が見えていたのか。最後まで明かされず読後もジワジワ怖さを掻き立てる岡本綺堂「木曾の旅人」、亡くなった子供との交流が切ないファンタジー室生犀星「後の日の童子」。この二篇が良かった。なんだったのかわからずじまいという意味で流石の切れ味は星新一「あれ」。最後にあっと驚く水木しげる「ノツゴ」。私にはフワッとしすぎの倉橋由美子「霊魂」久生十蘭「黄泉から」。ほん怖的ながら親への心遣いが泣かせる三浦哲郎「お菊」。「謡曲 松蟲」は、…無理、読まなかった。笑。金井田さんのミステリアスな版画がとてもいい雰囲気を醸す。

2021/08/09

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