影 北原白秋・澁澤龍彦ほか (文豪ノ怪談ジュニア・セレクション 第二期)
影 北原白秋・澁澤龍彦ほか (文豪ノ怪談ジュニア・セレクション 第二期) / 感想・レビュー
まさ
影ってそうなのだ。自分なのに異なる者でもある。幻想譚を好む自分にピッタリの1冊でした。作者それぞれの描く影。忌避される部分から見えてくる本質に唸ってしまう。収録のいずれも素敵な中で、柳田國男、水野葉舟、泉鏡花の作品に惹かれた。解説を読むと影響を与え合った間柄だそう。なるほど。
2020/11/06
くさてる
ジュニア・セレクションと銘打ってはいるものの、個人的には。正直言ってこどもにはちとハードルが高いのではと思う難解さが目立つアンソロジーでした。名作ぞろいなのは分かるけれど……。そのなかでも。既読ではありますが梶井基次郎「Kの昇天」山川方夫「お守り」の二編は良かった。
2018/11/14
マツユキ
梶井基次郎『Kの昇天―或いはKの溺死』、岡本綺堂『影を踏まれた女』、柳田國男『影』、水野葉舟『跫音』、泉鏡花『星あかり』、北原白秋『影』、山川方夫『お守り』、渡辺温『影 Ein Marchen』、稲垣足穂『お化けに近づく人』、城昌幸『影の路』、澁澤龍彦『鏡と影について』、只野真葛『影の病』の十二編収録。改めて、贅沢なシリーズですね。テーマは影。結びつけて考えた事がなかったけど、ドッペルゲンガーか。出会ってはいけない…。不吉、くらくら、どきどき、好きです。引用されたハイネとラフォルグの詩も読みたい。
2019/11/13
belle
図書館の児童書新刊棚より。怪談ものなのでやや躊躇したが、文豪&東雅夫選の二点がポイントで借りてみた。テーマは『影』。月を見あげれば?影を踏まれたら?背後からは?そっと覗いた部屋には?光と影。分身。恐々しながら作家の筆の確かさに先を急いでページをめくる。今月の満月を待ちながら、浪漫の波が寄せる「Kの昇天」をもう一度読んでみよう。
2018/09/12
メイロング
目次だけでうれしくなってくるメンバー。読み進めると戦前戦後の幻想文学史を追っていける仕様もうなる。ネットのリクエストでテーマ決めて話を編むなんて三題噺のよう。その腕前が試されるのが東雅夫さん。こんなプロレスのポスターがあったら、這ってでもいきたい。北原白秋は稲川淳二の語りっぽい。山方方夫はSF短編のにおい。城昌幸はもっと読んでみたい。澁澤龍彦は無記名でもきっとわかる雰囲気。只野真葛はよくあるテーマなのにビビっとくるこわさで古くささを感じないなあ。
2018/09/27
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