小説 秒速5センチメートル (新海誠ライブラリー)
「小説 秒速5センチメートル (新海誠ライブラリー)」のおすすめレビュー
【新海誠の文学世界】――過去4作の小説で表現された「大丈夫」という言葉の存在/①『小説 秒速5センチメートル』
世界中のあらゆる人と人の間で起こっているコミュニケーションの本質にあるものは、「大丈夫」を送り合うことではないだろうか。おもに言葉で、それから表情や態度で、「私は大丈夫」「あなたも大丈夫」と励まし合うことで、本当は「大丈夫」ではなかったりする日常生活の礎を築こうとしているのではないか。アニメーション監督である新海誠はみずからの手で、最新作『すずめの戸締まり』の前に4作品を小説化してきた。この4つの小説には、重要な場面で「大丈夫」が顔を出す。その一語の表現の仕方に注目しながら、本稿では『小説 秒速5センチメートル』(新海誠/KADOKAWA)をレビューしていく。
『小説 秒速5センチメートル』(新海誠/KADOKAWA)
それまで自作の小説化はノベライザーに任せてきた新海誠が、みずから筆を執った小説家デビュー作は、アニメーションでは珍しい連作短編形式をそのまま採用している。新海アニメ特有の主人公の濃厚なモノローグは、小説の地の文と抜群に相性がいい。風景描写にも語り手の心情が乗り移り、せつなさを掻き立てている。
全3編を貫いて登場する主人公は、遠野…
2022/8/24
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小説 秒速5センチメートル (新海誠ライブラリー) / 感想・レビュー
ゆっき
映画のノベライズ。貴樹の成長を軸に描かれた連作短編集。「桜の花びらの落ちるスピードだよ。秒速5センチメートル」本当に素敵なタイトルだと思う。お互いを必要とする明里と貴樹の出会い。2人の淡い恋心にほっこりし、離れ離れになる切なさにしんみり。映画と小説で相互に補完され、映画では描かれない心情を小説では楽しめました。
2024/04/21
諏訪かおん
子供ならではの思い通りにならないもどかしさ、どうにもできない歯痒さに、苦しいくらいキュンキュンしました😳主人公が大人になる過程はすごい説明っぽくて私は読みにくかったんだけど、たった三ヵ月付き合ったという彼女が強く印象に残り、離れない。彼女は映画でも出てくるのだろうか…… あとがきで作者である映画監督は"映像で表現できることと、文章で表現できることは違う""映画と小説で相互補完的になっている箇所や、意図的に違えた箇所などもある"と書いてあって、この作品の映像が観たくてたまりません
2022/05/29
サクラ
風景が浮かび上がってきました✨離ればなれにならず二人大人になれたら一番だったけどそれでも腐らず踏ん張った、明里ちゃんの事ももっと知りたかったかな
2020/02/19
ぽん
なんか切ない… アニメも気になるなぁ。
2019/08/31
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