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新文章讀本 (タチバナ教養文庫 A-1)

新文章讀本 (タチバナ教養文庫 A-1)

新文章讀本 (タチバナ教養文庫 A-1)

作家
川端康成
出版社
TTJ・たちばな出版
発売日
2007-12-01
ISBN
9784813321262
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ジャンル

新文章讀本 (タチバナ教養文庫 A-1) / 感想・レビュー

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佐島楓

『文芸時評』と併せて読むと、当時の川端の文芸に対するスタンスが理解できる。ここに挙げられているような名文家の作品は、ほとんどが現代まで読み継がれている。それは単純に文章の骨子がしっかりしているからというわけだけではないだろう。何をどう書くかという普遍のテーマが付きまとうのは昔も今も変わらない。文章を書く人のパイは断然拡大してしまったが。

2019/11/30

AICHAN

図書館本。文豪の小説作法を知りたいと思って借りた。「表現は、作家と読者との心理活動とを結ぶ唯一の点である」「文章の第一条件は…簡潔、平明ということであり、如何なる美文も、若し人の理解を妨げたならば、卑俗な拙文にも劣るかもしれない」「よき文章とは、月並の装飾の多い、いわゆる美文ではない」という著者の基本的な考え方に少し驚いた。というのも、芸術としての小説の文章は、例えば報道のための文章とは根本的に違うと小説家なら認識しているのではないかと考えていたからだ。2つは微妙に違うけれど根本は同じなのだと思った。

2016/12/06

たまきら

川端康成全集 第32卷で借りました。こちらにしてよかったのは、著者の「文章」への目線が古典から「現代作家」まで網羅されていたところでしょうか。旧仮名遣いで読むのに時間がかかりましたが、凛とした、背筋が伸びるような彼の独特の文体が好きです。谷崎が官能的な肉感的な美だとしたら、川端はきりりと小股が切れ上がった水の垂れるような江戸の粋筋というか。冬の朝のようなきりりとした文章は、谷崎・三島のそれとはまた違った日本語の可能性を教えてくれました。

2019/04/22

あお

文章表現とは、作家の芸術創作と読者の芸術受容が流れあう一本の橋なのだ(本文)。作家の文章にかける情熱を肌で感じることができる本。著者の各々の作家の文章解説、泉鏡花の雅やかな文章にある語句選択の業とその視覚的効果、自ら、私の創作活動は文章との戦いであったと言う横光利一の文体の変移などは興味深かった。そして、著者自身の私は男よりも女を、大人よりも子供の文章を進んで読むという趣向が面白い。ローマ字の耳で聞いただけで分かる世界共通語の文章を夢にみるこの作家には、やはり異名である奇術師の名が相応しいと思った。

2015/10/17

零水亭

(以前に新潮文庫版で読みました)このサイトの皆さんの感想を読んでいたら、また読んでみたくなりました。

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