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あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 (スターツ出版文庫)

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 (スターツ出版文庫)

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 (スターツ出版文庫)

作家
汐見夏衛
出版社
スターツ出版
発売日
2016-07-28
ISBN
9784813701309
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「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 (スターツ出版文庫)」のおすすめレビュー

【福原遥&水上恒司で映画化】孤独な少女と特攻隊員の運命の出会い… 号泣必至の感動の物語

『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。(スターツ出版文庫)』(汐見夏衛/スターツ出版)

 孤独な少女と死を決意した特攻隊員の物語が、今、中高生を中心に大きな話題を呼んでいる。その作品とは『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。(スターツ出版文庫)』(汐見夏衛/スターツ出版)。「泣ける」とTikTokで大バズりし、シリーズ累計発行部数は50万部を突破。福原遥と水上恒司のW主演で映画化も決定しているという注目作だ。

 一体、何がここまで中高生たちの心を惹きつけるのだろうか。それは、この物語があまりにも切ない悲恋を描き出しているからだろう。それも感情移入せずにはいられないのだ。描かれるのは、戦時下の日本。平和になれきった私たちにとって、戦争は、どこか遠い時代の出来事のように思えてしまうが、教科書をいくらなぞっても分からなかった悲しみや痛み。その残酷さや不条理さを、痛いほどに教えてくれる。

 主人公は、親や学校、すべてのことにイライラしている中学2年生の少女・百合。彼女は、ある日、母親とケンカして家を飛び出し、目をさますと1945年6月、終戦間近の日本にタイ…

2023/8/30

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目覚めたら戦時中!? 特攻隊員に恋をした少女の運命は──。TikTokで話題の感動作が伝える大切なメッセージ

※「第5回 レビュアー大賞」対象作品

『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(汐見夏衛/スターツ出版)

 太平洋戦争の終結から75年。当時を体験した人も少なくなり、戦争の記憶は日ごとに遠ざかりつつある。現代の中高生にとって、戦争は薄皮1枚隔てた「歴史上の出来事」。修学旅行で広島や長崎を訪れたり、当時の映像をテレビで見たりしても、現在と地続きのこととして捉えるのは難しいかもしれない。

 そこで力を発揮するのが、小説というメディアだ。主人公に自分を重ねて物語を追体験すれば、遠い日の出来事が我が事のように感じられ、戦争体験を風化させずに語り継ぐことができる。TikTok動画がきっかけで脚光を浴びた『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(汐見夏衛/スターツ出版)は、そんな小説の底力を感じさせる作品だ。

 主人公の加納百合は、反抗期を迎えた中学2年生。ある日、母親と喧嘩して家を飛び出した百合は、裏山の防空壕で一夜を過ごす。ふと目覚めると、そこは戦時中の日本。偶然通りかかった佐久間彰に助けられ、百合は彼のなじみの食堂で働くこととなる。着方のわからないモンペ、…

2020/9/21

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『木曜日にはココアを』をレビューしたくるぽんさんが王者に! 【読書メーター×ダ・ヴィンチ「第5回 レビュアー大賞」】

 日本最大級の書評サイト「読書メーター」と、本とコミックの情報誌『ダ・ヴィンチ』が連動してベストレビュアーを決定する「レビュアー大賞」。9月21日(月)の課題図書発表から約3カ月間の審査・投票を経て、“ベスト・オブ・ベスト・レビュアー”が12月16日(水)に決定しました。

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2020/12/16

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 課題図書を読んだ人も、まだ読んでいないという人も、優秀レビュアーの素晴らしいレビューを読み「これは!」と思うレビューに投票してみましょう。投票期間は2020年12月6日(日)まで!

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2020/11/23

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あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 (スターツ出版文庫) / 感想・レビュー

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さてさて

私たちは忙しい日常を生きる中で、かつてこの国であったこと、そんな時代に生きた人達が何を思いながら死んでいったかを考えることはありません。しかし、私達が今日をこの国に生きていることの裏側に、たくさんの人々の犠牲と苦しみがあったことは決して忘れてはいけないのだと思います。たくさんの人々が素晴らしい未来を残してくれたことを忘れてはいけないのだと思います。偶然にもこの作品を手にしたことで、はからずも、そんなたくさんの人達がこの国の未来に願ったことに思いを馳せる機会をいただきました。汐見さんありがとうございました。

2021/12/11

中2で反抗期の百合が昭和20年にタイムスリップする戦争小説。色んな特攻の話をひとまとめにしてアレンジしたような内容。ツルさんは鳥濱トメさんのイメージか。憲兵に盾突き好き放題言って周囲の人を傷つける百合に腹が立ったが、国の為に若者が犠牲になり死んで守る精神は現代人に無いからあんな感じかなとも思います。最終的に百合が、特攻隊員たちが守ってくれた、願っていた明るい未来が今なのだと気づいてくれて良かったです。当時の特攻隊員って若いのに皆大人だったから、彰がかっこよすぎて百合には眩しすぎる存在だったろうと思います。

2021/05/13

おしゃべりメガネ

いい意味でイメージどおりの作品でした。何かと反抗的な態度で、日々の生活に嫌気がさしている中2の女の子「百合」はシングルマザーの母親ともイマイチうまくいっていない。ある日、教師にたてつき、教室を飛び出し、家にも帰れなくなった彼女は戦時の名残りの防空壕で一晩を過ごすとそこは戦時中の世の中へとタイムスリップしてしまいます。そこで出会った特攻隊員「彰」らとの出会いが彼女の生き方を大きく変えるコトになります。ベタといえばベタで、王道といえば王道ですが戦時の話が風化されつつある昨今で、とても大切な作品になりますね。

2020/09/26

machidataketomo

なるほど~この本は小学生~高校生、または大学生に読んでほしいですね。 修学旅行とかで特効基地見学の前に読んでおくと展示物への見方、感情が変わると思います。 子供には百田尚樹さんの「永遠のゼロ」の前にこの本を先に読んで欲しい。特攻隊をあまり詳しく知らない子供たちの初めて手がかりになる本です。

2022/08/12

黒瀬 木綿希(ゆうき)

母親と喧嘩して家を飛び出し、防空壕跡地で夜を明かした中学二年生の百合が目を覚ますとそこは昭和二十年、敗戦直前の日本だった。途方にくれていたところに手を差し伸べた特攻隊員・彰の誠実な優しさに惹かれていくが、ひっ迫する戦況が二人の仲を裂く—— 戦時にタイムスリップという設定は珍しくありませんが、王道たり得る理由が確かにあります。目が眩むような夏の青空に負けない純度の高い恋愛小説でした。

2020/10/09

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