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反共感論―社会はいかに判断を誤るか

反共感論―社会はいかに判断を誤るか

反共感論―社会はいかに判断を誤るか

作家
ポール・ブルーム
高橋洋
出版社
白揚社
発売日
2018-02-02
ISBN
9784826902014
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ジャンル

反共感論―社会はいかに判断を誤るか / 感想・レビュー

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harass

共感、他人を配慮し同情する感情的な気遣い、は必ずしも社会にとって有益ではないとする著者の主張。脳科学や様々な実例から常識とされることを疑う。微妙な問題を取り扱うためと範囲の広い事柄のせいか論旨が少し読み取りにくいが、非常に興味深く読めた。井戸に落ちた子猫に同情し大騒ぎすると同時に、異国の無名な人たちが受けた大災害や大事故への無関心の差などの考察。綺麗事な疑ってはいけない道徳と実際のエゴの問題など、個人的に関心がある議論がでてくるのでなかなか読み応えがあった。ただちょっとまどろっこしく感じる。

2018/04/07

Willie the Wildcat

情動的共感vs.認知的共感、共感vs.同情、あるいは共感vs.インセンティブvs.習慣など、様々な対比が言葉の定義と自己の再認識の一助となる。踏まえて、「個」の主観性が齎す暗部が、表題の”反”也。郷党性はもちろんだが、時に没道徳的となる。数々の事例を、(全てを肯定もしないが)否定することができない自分に気づく。加えて、SNSの匿名性が、時に”混乱”に拍車をかけている気がする。そもそも論で、共感を求められているのか?どうにも現代社会の世知辛さを感じる。

2019/07/04

ばたやん@かみがた

例えば、と著者は問う。雷に脅える幼子を慰めるのに貴方が雷を恐がる必要はあるだろうか、と。無論Noだ。そういう過度な共感は「情動的共感」と言い役に立たない為、対象者の情動と切り離された「認知的共感」に拠るべき、とする。だがそれに止まってはならない。著者は共感全般の欠点として①関心を狭く絞り込むスポットライト効果②自分の主義等に影響を受け易い③悪用されればイジメや虐殺すら起こることを挙げる。妥当性を得るには理性や思いやりが更に必要とする結論は平凡だが、お気持ち優先の言説(※)が罷り通る現在にあっては重要では。

2019/02/09

小木ハム

共感は万能ではない。精神科医が共感に過ぎると適切な処置ができず医者自身が病気になり、スーパーマンが共感に過ぎると身内だけ助けてその他多数を見殺しにする。『情動的共感』はプライベートな人間関係において大いに有効だが、感情に寄り添うだけで問題は解決しない。『認知的共感』は親しい関係であるほど冷たい印象を与えてしまうが、事を俯瞰して建設的な解を得やすい。二つとも時と場合を選んで使い分けるべきであり、更にいえば、本書からは共感より『思いやり』を重視した方がいい事が学べる。両者は似て非なるものだ。

2021/07/10

おさむ

最近の心理学者って、扇情的なテーマや見出しにして、本を売ろうとする魂胆が見え見えで正直嫌になります。とりわけ米国でこの傾向が顕著。本著も挑戦的な問いかけではあるが、展開されている論がいずれも中途半端であり、説得力に欠けます。ザッと斜め読みで十分だと思います。ちなみに、上記の米国の論調をそのままパクって成功しているビジネスモデルが橘令さん笑。

2018/10/06

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