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森へ (たくさんのふしぎ傑作集)

森へ (たくさんのふしぎ傑作集)

森へ (たくさんのふしぎ傑作集)

作家
星野道夫
出版社
福音館書店
発売日
1996-09-20
ISBN
9784834012279
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森へ (たくさんのふしぎ傑作集) / 感想・レビュー

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アキ

星野道夫の写真物語。カヤックで朝の海を漕ぎ、森に入るとびっしりと苔に覆われた木々が語りかけてくる。クマの道を森の奥へ入ると、川に出た。川底の岩と見間違う程のサケの大群。いつの間にか対岸の岩の上にクロクマの親子がこちらを見つめている。インディアンの古いことわざ"サケが森を作る"産卵を終えて死んだサケが森の自然の栄養となる。森の奥にインディアンが残したトーテムポールがあった。先祖が動物と信じ、神として祀っていた。クジラの口に飛び込んだワタリガラスの神話を思い出した。カヤックでクジラを眺めながら帰り道についた。

2022/03/05

みゆ

お初写真家さん。素晴らしい!の一言。冒頭、東山魁夷の『緑響く』のような静謐な湖に一気に心奪われ、そのまま神秘の森に引き込まれてしまいました。たった40Pの写真絵本が教えてくれた自然の力強さ、人間の営みの儚さ、神々しいまでの畏怖の念。読み終えてため息が出ました。児童書コーナー、舐めたらアカン(>_<)

2018/10/18

naoっぴ

「旅をする木」を読み、星野さんの写真を見たくて読んでみた。児童向け絵本ではあるが、自然の摂理をまるごと切り取ったような写真の数々は圧倒的な迫力がある。星野さんらしい自然への畏敬の念にあふれた文章は森のもつ神秘性をたくさん伝えてくれる。サケは産卵後に死んでその身体は森の恵みとなり、倒木は朽ちながら植物に栄養を授ける。そうして森が動いていくというのは「旅をする木」で星野さんが語っていたことそのままの内容。その本の中のトーテムポールの写真もここにあり、大感激。この本欲しいです(≧▽≦)

2016/06/17

やま

カヤックで、深い霧に包まれた海を進むと、とつぜん、霧の中から、スーッと巨大な影が現れ、目の前を潮を吹きながら通り過ぎていきます。ザトウクジラが…。やがてクジラは尾ビレを高く上げ、ゆっくりと霧の中に消えていきます。著者は、人の手の入ったことのない原生林がおいしげるなか、獣が通った道を見つけては歩いて行きます。巨大な倒木を橋として渡り、先に進むと川に出ます。なんと川一面にサケが…気がつくと周りにはクマがサケを狙って集まってきています。まさに命がけの冒険です。🌿続く→

2022/07/15

がらくたどん

夏に県内で開催されている写真展に行きたかったのだが、母の調子がいまいちで軟便が治まらず長時間の外出が難しい。う~ん、已む無しかなと本棚から古い絵本を出してきて眺める。朝霧の中、カヤックに乗って森へ。想像の冷気が不思議なことに身体をちゃんと包む。湿った樹木の匂い。見えない気配。確かに存在する命が発する音。自然の循環の中にあると思えば「うんち」だって一つの命の証という尊いピースだ。熊の営み。鮭の営み。倒木の命さえくまなく繋ぐ樹木の営み。そしてトーテムポールに残る「人」の営み。この星に生まれてこの星に還るのさ。

2022/08/10

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