しつこく わるい食べもの
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しつこく わるい食べもの / 感想・レビュー
よつば
2018年に発売された『わるい食べもの』に続く食に纏わるエッセイ第二弾。「闇カツ」「台所の妖怪」「菓子争奪戦」「フリーダム・オブ・味噌汁」「告白します」等々、タイトルだけで興味をそそられる全35篇が収録。食に対する愛情や熱意がワイルドに伝わって来る。今作は途中でコロナ禍と重なった事で、リアルタイムで文字を綴る事に迷いが生じ休載をお願いされたそう。結局、日付を入れる事で連載は続行。その為コロナ禍での日常がリアルだ。外出自粛要請が出て焦り、好物を山と買い漁る千早さん。今回も食へのエネルギーをひしひしと感じた。
2021/03/08
pohcho
食エッセイ、「わるたべ」の第二弾。塩と梅だけの梅干しが好きで、炊飯器は好きだけど保温ごはんは嫌い、和え物がだめという感覚はよくわからないけど、混ざっているのがお好きではないとのこと。パフェ愛に目覚めたのはパフェ先生との出会いから。相変わらず食への情熱とこだわりが満載で楽しい。コロナ以降は日付を入れて書かかれていた。大好物のお茶やお菓子を買いだめしたり、有明海の高級海苔をお取り寄せしたり。緊急事態宣言下、一度だけの外食は、日常と非日常が揺らぐ感覚が伝わってきた。
2021/03/25
akiᵕ̈*
『わるい食べもの』に続く、食に纏わるエッセイの第二弾。小説の世界観とはまたひと味違う千早節が今回も楽しい♪食に対して素敵なまでの貪欲さは健在ながらも、執筆中コロナ禍に入り飲食店が休業したり、マスクを付けての外出で大切な匂いが失せてしまうことによる気づきなど、千早さんの食と向き合っている日常がリアリに感じられる。日々の嗜好品とかを“自分の心を維持するための美しいお守り”と表現しているけど、こんな今だからこそ、食べたい!と思ったものをわたしも満面の笑みで食べたいと思う。北澤氏の挿画が今回も良い味を添えている。
2021/03/27
ヒデミン@もも
「わるたべ」大好き。どんなにしつこくされても嫌いにはならない! 勝手にイメージしてごめんなさい。もう大丈夫!この表紙のイラストがもう千早茜さんに見えてます。小説のなんとも言い難い千早茜ワールドも好きだけど、わるたべの千早茜さん、もっと好き。食の好みが似てるなと思っていたけど、絶食だけはできないわぁ。絶食してるのに殿のために料理するなんて絶対にムリ!
2021/03/14
よこたん
“偏愛、嫌悪、告白、共感…食という毎日欠かすことのできない行為だけに誰もが語ることのできる物語を持っている。それを打ち明けてもらえるのは純粋に面白い。” 確かに、食べ物の話題で盛り上がると、何だかその人との距離が少しだけ縮まった気がする。本能で食べる派という印象の千早さん、前作に続き期待通りの面白さ。味わいは、甘くてふんわりの口溶けというより、山菜のようにクッとくるアクと独特のフーンと鼻に抜ける香りと苦味、そしてジワジワくる旨味。フキノトウ的な立ち位置。「他人の和えたもの」「鼻で食う」に共感しつつ笑う。
2021/03/31
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