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国家がよみがえるとき 持たざる国であるフィンランドが何度も再生できた理由

国家がよみがえるとき 持たざる国であるフィンランドが何度も再生できた理由

国家がよみがえるとき 持たざる国であるフィンランドが何度も再生できた理由

作家
古市憲寿
トゥーッカ・トイボネン
出版社
マガジンハウス
発売日
2015-06-18
ISBN
9784838727612
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あらすじ

フィンランドと日本、それぞれの国を代表する若手社会学者2人が、
“折れない国家”フィンランドの秘密を探る社会文化論。

フィンランドと聞いて思い浮かべるもの。ムーミン、サンタクロース、マリメッコ、ノキア、森と湖‥、高い教育水準と高福祉を挙げる人もいるかもしれない。そういった、あまりにも素晴らしすぎる、理想の国フィンランドのイメージに常々疑問を持っていた古市憲寿が、フィンランドの同じく社会学者であるトゥーッカ・トイボネンに出会ったことから、このプロジェクトは始まった。

まず、トゥーッカ・トイボネンがやったことは、フィンランドの社会に内包するジレンマを取り上げデータに基づき考察する論文を、フィンランド国内の著名な研究者たち十数名に依頼したことだ。それを日本語に翻訳し、古市憲寿と分析した結果、そこに、フィンランドが「何度も挫折を経験した国」であり、同時に「何度も復活を果たした国」である理由を見い出す。

さらに2人は、2014年に実際にフィンランドを訪ね、フィールドワーク(現地取材)を敢行する。起業家、若者、子供、先生、デモ隊の人‥、数多くの場所を訪ね、人に会った様子を、読者は追体験しながら、上記の論文とフィードバックできる4つの章(「総論」「教育」「若者」「イノベーション」)で本書は構成されている。

最終章の「これからもフィンランドは復活し続けるか」まで待たずして、持たざる国である日本がフィンランドから学べるヒントが満載の社会文化論である。

国家がよみがえるとき 持たざる国であるフィンランドが何度も再生できた理由 / 感想・レビュー

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アメフトファン

スウェーデン、デンマーク等を北欧とひとくくりにすることが多いですが、当然それぞれの国に個性がある事が良く理解できる本でした。人口約500万人のフィンランドが当然のことながらビジネスの相手は世界になる事から子供のころから当たり前のように英語を使いこなし、さらにドイツ語等を学ぶという事実が興味深い。日本では確かに英語を幼い頃から学ぶべき、いや学ぶべきでないという議論が繰り返されていますが、これからのグローバル化した世界、そうした人口減に直面する日本人には英語は必須だという事を改めて実感しました。

2015/12/06

壱萬弐仟縁冊

脚注もある学術的な雰囲気もある本。古市先生のはこういう構成が多い気がする。オックスフォード大ではD論はPhD thesisではなくてDPhil thesis というらしい(018頁脚注4)。フィンランドには日本よりは、はるかに何度でもやり直しがきく社会に思える。しかし現地研究者は、失敗者に対して厳しい文化と述べるのは興味深いという(138頁脚注60)。いずれにせよ、失敗は失敗という烙印を押されるわけだ。再チャレンジに寛容な社会はそう多くない証か? 

2016/05/05

まさひろ

紹介してくださった方は、現役の公立中学校国語教諭として「教育」を入り口に現地へ赴き、幾度か渡航を重ねるにつれフィンランドという国全体のことを考えるようになったという。 その彼女が「フィンランドという国の今を知るならこの1冊」と言い添えて紹介したことが、この本がフィンランドの実情を如実に表していることを保証している言えよう。

2018/09/29

さわみん。

日本の社会学者とフィンランドの社会学のフィンランドを知る本。フィンランド全般、教育、若者、起業について。僕たちは国家を監視しなくなった劣化したメディアのイメージにより、過度な国家像を抱いてしまっていたのかもしれない。福祉政策削減傾向、若者のうつ、労働時間は短くても主観的項目頼りの学力調査、グローバル化による社会の空洞化の補完できなさは世界共通の課題、人が変わらない制度平等にとどまるリベラルフェミニズム、物質的豊かさが前提だから人とのつながりを求める。

2015/06/20

苦虫

小論文集。フィンランド人の論文をお目にかかることはなく、非常に興味深く、そして理解しながら読めた。あの軽い本とは異なり、しっかりお勉強できる(あくまでフィンランド入門)。北欧は光の面だけ見られがちだけど、目を背けたい部分もしっかり見つめて、考えていて良い。色々考えるためのフックがある。フィンランドでも若者の政治無関心が進んでるし、自殺率も高い。想定がおしゃれで挿絵もカワイイ。

2015/07/18

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