KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

スナック キズツキ

スナック キズツキ

スナック キズツキ

作家
益田ミリ
出版社
マガジンハウス
発売日
2021-01-28
ISBN
9784838731381
amazonで購入する

「スナック キズツキ」のおすすめレビュー

人生に疲れ、傷ついた人が訪れる『スナックキズツキ』。益田ミリが描く、ミステリアスなママの正体とは?

『スナックキズツキ』(益田ミリ/マガジンハウス)

 イラストレーターで、漫画家、エッセイストでもある益田ミリ氏が、7年ぶりの描き下ろし漫画『スナックキズツキ』(マガジンハウス)を上梓した。シンプルで肩の力の抜けた絵柄、日常のもやもやを的確に言語化したセリフなど、著者の持ち味は本書でも不変。それでいて、本書では設定の面白さが際立っており、益田氏の新たな代表作となりそうな予感だ。

 都会の路地裏でひっそりと営業しているスナック、キズツキ。傷ついた者しか辿り着けないというこの店が本書の主要な舞台だ。仕事や家事を1日頑張ってくたくたになった人たちが、家にまっすぐ帰りたくない時に立ち寄ってゆく。キズツキはそんな人たちの憩いの場となっている。

 登場人物は皆、ちょっとした傷を抱えている。コールセンターで働くナカタさんは、客からの過度なクレームにうんざりし、交際中の彼氏にも自分の話を聞いてもらえない。だが、そのクレーマーのアダチさんは、総菜屋のパートで同僚のワガママに振り回され、総菜の詰め方についてねちねちと客から難癖をつけられる。

 その難癖をつけたカホさんは、家…

2021/5/11

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

「スナック キズツキ」の関連記事

歌いだすと溢れる思いが止まらない。損してるのは私ばかり/スナック キズツキ④

傷ついた者しかたどりつけないスナックが都会の路地裏にあるらしい――。傷ついて、傷つけて、生きている、くたくたな夜にほっと一息。スナックでなぜかピアノを弾きながら歌うことに。損するのは私ばかり…。歌いだしたら、溢れる思いが止まらない。

<続きは本書でお楽しみください>

2021/3/26

全文を読む

クレーマーも実は…。客や同僚には、何を言われてもニコニコ/スナック キズツキ③

傷ついた者しかたどりつけないスナックが都会の路地裏にあるらしい――。傷ついて、傷つけて、生きている、くたくたな夜にほっと一息。クレームの電話を入れていたアダチさん。実は彼女も、客や同僚のワガママを受け入れる側だった。

<第4回に続く>

2021/3/25

全文を読む

関連記事をもっと見る

スナック キズツキ / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

漫画。オーナーのトウコが経営するアルコールの出ないスナック。日々の生活で少しだけ傷ついた人たちが立ち寄りトウコがその人たちに合ったアドバイスで心を癒やしてくれる。ある人は歌、ある人はタップダンス、ある人はもう動いていない電話、心の内に秘めて誰にも言わなかった人生の悩みや不満をトウコが開放してくれ、そんな方法で?!というやり方で登場人物たちを前向きにしてくれる。トウコはミリさんのことかなと思ってしまいました。でも漫画家をやめたって言ってたので違うな。

2021/03/01

ガチャ

マンガだから読みやすい。 心が疲れた時には、ぜひ立ち寄ってほしい、スナックキズツキ!スナックなのにお酒は出ないけど、ソイラテでもラッシーでもマンゴージュースまである。 何よりここの女性マスターが、一緒に歌ってくれるは、踊ってくれるはで、はっちゃけさせてくれる。 自分はこんなにも不満を溜めていたんだな。 ただ、つい忘れてしまうのだけど、自分も傷ついているけど、相手が傷ついていないとは限らないもの。 そこまで考えたり、気をつかうと疲れるから、時々立ち止まれる場所があるといいですね。そんな場所でした。

2021/09/04

Ikutan

都会の路地裏にある『スナックキズツキ』。アルコールは置いていないけれど、ママの不思議な接待があるお店。そこは、傷ついた人たちがちょっとだけ心の積み荷を下ろせる場所。否定も励ましもない、このママの接客が奇想天外で笑っちゃう。フィンランド旅行やしりとりはミリさんのならではのアイデアね。各主人公が、他のお話にも登場し、その何気ない言葉や行動が、実は、誰かのモヤモヤの原因だったりしていて、はっとさせられるところも。そうだね、本心をさらけ出すことで元気になれるんだね。さくっと読めて心が軽くなる。疲れた時におすすめ♪

2021/03/14

おくちゃん🌸柳緑花紅

読みたいと思っていたこの作品を読友さんが送ってくれた。そうなんだよなぁ~。傷ついて、傷つけて、人はみんな生きているんだよなぁ。でも傷ついたとき、傷ついた人しかたどり着けないという都会の路地裏にあるスナックキズツキ。誰にも言えない心の中を気がつけば歌にのせて語っていたり。店主はアドバイスするのではない。それなのにここを出た時に心が変わっているのは「キヅキ」を得たから。地団駄踏みたくなったら踏めば良い、タップダンス。傷ついて、傷つけて、そして気づく、挟まっていたのは、スナックキズツキという店名入りのコースター

2023/02/12

nico🐬波待ち中

傷ついた者しかたどりつけないスナック”キズツキ”。店内の寂れ具合といい、スナックのママ・トウコのマイペースな感じが、お客のムシャクシャした気持ちを自然とほぐしてくれる。連作短編集。別の短編での困ったさんも実は色々悩んでいたりして、みんなが日常の些細なことでちょっとずつ傷ついている。トウコの、お客の本音を引き出して発散させる不思議な魅力がクセになりそう。ココアの粉を煎った上に牛乳を練りながら作るホットココアも飲んでみたい。心に刺さるセリフも多くて泣きそうになった私もスナック”キズツキ”のお客になれそう。

2022/02/20

感想・レビューをもっと見る