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ミウラさんの友達

ミウラさんの友達

ミウラさんの友達

作家
益田ミリ
出版社
マガジンハウス
発売日
2022-03-17
ISBN
9784838731985
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「ミウラさんの友達」のおすすめレビュー

トモダチは5つの言葉を話すロボット? 益田ミリ画業20周年記念作品『ミウラさんの友達』

『ミウラさんの友達』(益田ミリ/マガジンハウス)

 ロボットは未来をテーマにした創作物でよく描かれるもののひとつだ。その多くはまるで人間のように描写される。細かな動作ができ、たくさんの語彙を持つロボットは、ときに人間の味方として、ときに敵として作品に登場する。

『ミウラさんの友達』(益田ミリ/マガジンハウス)に出てくるロボットは、主人公ミウラさんの「トモダチ」で女性の姿をしている。しかし彼女は突然ミウラさんの前に現れたり、世界を変えるような行動をとったりはしない。トモダチは、ミウラさんが不動産屋で100万円を出して買ったものであり、あらかじめ技術者が初期登録をした4つの言葉と、ミウラさんが設定する1つの言葉しか話せないのだ。

 ミウラさんはトモダチと暮らすことをルームシェアと呼ぶ。ふたりで散歩をしたり、トモダチの分も切符を買って遠出をしたりする。

 ミウラさんの心の中には、仲が良かったのに、言葉選びを間違えたせいで遠い存在になった人間の友人がいた。あのとき、思ったことを口にしなければ。もしくは言葉の表現を変えていれば。心を許した関係であればあるほど、一…

2022/4/16

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友達ってむずかしい。でも、人と関わらずにはいられない『ミウラさんの友達』益田ミリさんインタビュー

 ※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』7月号からの転載になります。

〈思ってもなかったな~ あたしがさ~ ルームシェアするなんて〉  ダイニングテーブルを挟んで会話をする、ふたりの女性。ごくありふれた光景に見えるけれど、実は片方がロボットで――。  益田ミリさんの描き下ろし作品『ミウラさんの友達』は、ロボットと暮らす日々を通して、人との出会いや別れに向き合う物語。このマンガが生まれたきっかけは、ある小説を読んだことだったという。

(取材・文=野本由起)

「カズオ・イシグロさんの『クララとお日さま』を読んで、身動きできなくなるほどの衝撃を受けたんです。ロボットと少女の友情物語なのですが、読み終えたあとも目を閉じていつまでのその世界に浸っていたいような気持ちになって。私も自分のロボットを描きたくなりました」  だが、益田さんが描くロボットは、『クララとお日さま』と大きく違う点があった。 「いざ描いてみると私のロボットには心がなかったんです。『あ、ないんだ』と、自分でもびっくりしました」  そう、ミウラさんのロボット“トモダチ”は、人間そっくりだけど心がない。…

2022/6/17

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一生連絡がこない友だち…。ミウラさんは疎遠になった友人のことを思い出す/ミウラさんの友達③

漫画デビュー20周年記念作品!益田ミリさん待望の最新作。益田ミリ著の書籍『ミウラさんの友達』から厳選して全3回連載でお届けします。今回は第3回です。主人公ミウラさんに新しく出来た「トモダチ」は、5つの言葉しか話さないロボット!? ルームシェアをはじめたミウラさんの日常とは――?『ミウラさんの友達』で益田ミリさんの描く穏やかでほっこり優しい世界をお楽しみください。帰宅して夕飯のお弁当を食べるミウラさん。前はよく仕事帰りに一緒にご飯を食べに行っていた友だちのことを思い出す。

<続きは本書でお楽しみください>

2022/4/11

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ミウラさんの友達 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ロボットの『トモダチ』を購入したミウラさんの日常漫画。不思議な設定だけどミリさんの作品ならすんなり受け入れられます。ミウラさんとカジさんのこの後の続きが気になる終わり方でした。大人になると友達と疎遠になりがちだし関わる人も変わってくる中で『友達は無理して会うものではない』『人生のある期間一緒にいたっていう真実は残る』等のセリフに頷いてしまいました。

2022/04/06

美紀ちゃん

すごくいい。 びっくりした。 「そうなの?」「うん」「大丈夫?」 で会話が成立することに気づいた。 不動産屋さんの兄弟がめっちゃいい人で嬉しい。 ハッとするポイントがいくつもあり、 この伏線回収はおみごと。 ワクワクした。 ラストの海で撮った、トモダチとミウラさんの2人の写真を見てグッときた。 スタンフォード大学を出たカジさんと 幸せになってほしい。 優しい想いがいっぱい詰まった いい話だった。

2022/04/22

Ikutan

「友達ってむずかしい。ものすごくうまくいってた関係でも 小さなヒビからパリンと簡単に割れてしまう」友達関係に悩んでいたミウラさんがルームシェアをすることになった。彼女の新しいトモダチは...。「うん。」「大丈夫?」「そうなの?」それだけで会話ができちゃうとは。あぁ、そういうことかと。クスリと笑えるユーモアも交えて、優しさと切なさを詰め込んで、じんわりと染みてくる。少しずつ明かされる関係とラストにほっこり。なんて素敵なお話なんでしょう!これは、誰かと感想を分かち合いたいなぁ。おすすめ。

2022/04/27

nico🐬波待ち中

ぱっと見リアルなヒト型ロボットの友達…近い将来、一家に一体とかなったりして。。人間の友達は大人になるにつれ減っていく一方。そんな時自分に都合のいい"トモダチ"がいれば寂しさは軽減されるのかな。たとえ今は疎遠になっていても、いつかきっとまた会えるはず。無理やり作るものでもない。ロボットみたいに思い通りにはならないけれど、自分の意志や感情を持つ人間の友達がやっぱりいい、と思わせてくれる作品だった。益田ミリさんの作品は決して押しつけがましくなく、大切なこともさらりと流すように胸にすっと入り込むところが心地よい。

2022/10/04

ででんでん

こんな中味だとは思わなくて、ミリさんにしてやられた〜。嬉しい驚きでした。こんな友達のことだったとは。カジさん兄弟が、大変素敵で、ミウラさんは「トモダチ」と暮らすなかで、リアルな友だちとも疎遠になったり、新しい素敵な出会いもあったり。私だったら何の言葉を登録するだろうか。妹さんへの想いが「トモダチ」の中に息づいていた。オススメです。

2023/07/30

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