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江戸の悪 (青幻舎ビジュアル文庫シリーズ)

江戸の悪 (青幻舎ビジュアル文庫シリーズ)

江戸の悪 (青幻舎ビジュアル文庫シリーズ)

作家
渡邉晃
太田記念美術館
出版社
青幻舎
発売日
2016-06-02
ISBN
9784861525544
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江戸の悪 (青幻舎ビジュアル文庫シリーズ) / 感想・レビュー

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HANA

お江戸を彩る悪の華の数々。天下国家の転覆を目論む大悪から市井の小悪党まで、浜の真砂は尽きるともという感じで有名所から始めて耳にする者まで大量に収録されている。歌舞伎の演目は数多あれど、斯様に大勢の悪人が描かれていたとは感嘆する事しきりである。それが浮世絵に写し出されると、兎に角残酷で粋なのである。誰も彼も独特の美学と共に血に塗れていて、いやもうどれも目が離せない。後、描かれた人物を知るために便利な悪人度メーター付き。ちなみに悪人度MAXは藤原時平、田宮伊右衛門、仁木弾正という有名処御三家でありました。

2017/09/30

しゅてふぁん

歴史上の悪評高い人物が大集合!当代一流の浮世絵師たちが描く、危うく、粋で美しい『悪の魅力』満載の一冊。今まで、まじまじと見たことがなかった浮世絵。しかも、風景画ではなく、人物画。色鮮やかで迫力があって、圧倒される。個人的には、大勢が描かれているものよりも一人二人が大きく描かれているものの方がより迫力があって好きだな。浮世絵って悪人が映えるわぁ。解説に演じた役者と役名が書かれているものが多く、歌舞伎の歴史を実感した。

2016/09/20

ちはや@灯れ松明の火

平凡に生きる者ほど非凡な存在に憧れる。巨悪に立ち向かう孤高の英雄が放つ眩さに似た華を、天下泰平の秩序に刃向う危険分子の中にも見出す。鼠小僧に石川五右衛門、歓声を浴びるのは天下の大盗賊。藤原時平に高師直、物語には必要不可欠な腹黒キャラ。毒婦に女伊達、油断してりゃぶすりと刺され、妖狐に蛟、人に化けては誑かす。伊右衛門お岩に安珍清姫、痴情の縺れが惨劇に直結するのは今も昔も変わらない。歌舞伎や狂言、物語や浮世絵に描かれた虚構の悪に魅入るのは、退屈な秩序に倦みながら、それに護られて生きているのを知っているからだ。

2017/07/12

こぽぞう☆

天童に旅した時、広重美術館で購入。江戸後期を中心に「悪人」たちを。「江戸の怖い絵」と2冊セット。「怖い絵」の方は人外でこちらは人間がテーマの浮世絵。現代人には、こちらの方が怖いかな?怖いと言いつつカッコイイ!でもあったり。

2018/09/01

長野県高校図書館クラブ

約一万四千点の大規模な浮世絵コレクションを持つ太田記念美術館の学芸員が、粋で美しい江戸の「悪」を紹介する。石川五右衛門、鼠小僧次郎吉などの大盗賊、侠客、吉良上野介などの歴史上の人物、悪女、妖術使いなど歌舞伎や講談などの題材となり、北斎、写楽、国芳らの当代一流の浮世絵師によって描かれた悪の競演。章立ても魅力的で5段階評価の「悪人度」も掲載している。 巻末の串田和美・五味太郎・著者渡邉晃の鼎談「悪を語る」もしみじみと面白い。平和で穏やかだった江戸時代だからこそ、悪の魅力が花開いたのでは、との考察に納得する。

2018/01/14

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