読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

あしたの孵化 (かりん叢書)

あしたの孵化 (かりん叢書)

あしたの孵化 (かりん叢書)

作家
辻聡之
福田利之
出版社
短歌研究社
発売日
2018-09-26
ISBN
9784862725882
amazonで購入する

あしたの孵化 (かりん叢書) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

kaizen@名古屋de朝活読書会

p.11 誰ですかと問われる声で目覚めればしゅわしゅわという加湿器の音 p.12 洗剤のボトルが最後に着いた場所 水晶浜に雪降りやまぬ p.17 遅れるという声、電話の向こうでは濃紺の雨降り始めたり 水底に眠る海鼠の傍にはしゃぎいてきみがさざなみを産 p.18 通り雨過ぎたるのちの「にじ!」という子どもの声に虹現れぬ p.20 さみしさを分かち合えないさみしさの霧雨はどこまでも霧雨 充電が完了するまで雨よ降れ窓はしずかに開かれていよ

2019/02/03

しなの

辻聡之さんの歌集、待ってました!前からちょこちょこ読める機会があるたび、歌集でいっぱい読みたいなあーと思ってた。口語と文語のバランス、わたしの一番好きな感じ。好きな歌を引いてみたいけど、どこをとっても好きだから困る。

yumicomachi

丁寧で確かな手触りのある歌集と感じた。抑制された叙情で詠まれたさまざまな歌、殊に家族の歌に惹かれるものがあった。〈圏外の長きトンネルさみしいという母のことばを人づてに聞く〉〈かつて吾をそらへはこびし肩車に金木犀の花ふる余白〉など。2018年刊の第一歌集。帯文は馬場あき子、栞文は荻原裕幸、松村由利子、寺井龍哉。〈うまく生きるとは何だろう突風に揉まるる蝶の翅の確かさ〉〈くりかえし春の推敲カーディガン着たり脱いだり約束したり〉〈みずからを誤字と知らざるかなしみを思えば十二月の街の火〉なども印象に残った歌である。

2019/03/06

浦和みかん

一見すると客観的っぽい歌でも着飾りがあって、アララギ的な読みだと違和感はあるんだけど、作者の文体とか「照れ」を思う。鬱屈感がある中で明るさを保とうとしている印象がする。弟の結婚・離婚の歌がところどころにあって、その歌群が最も具体的で印象に残っている。<理想、そんなものあるんですかと問いたきを 流しに捨てる冷めたコーヒー><知らず知らず錆びる鋏の刃のようにふるさとをまだ離れずにいる><命とは何だろうかとカレー屋でうつむく 冬野菜のピクルス>

2018/10/09

感想・レビューをもっと見る