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体内飛行

体内飛行

体内飛行

作家
石川美南
出版社
短歌研究社
発売日
2020-03-20
ISBN
9784862726407
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体内飛行 / 感想・レビュー

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ちぇけら

ぺルセウス座流星群を見るといふ約束叶わず目を閉じてゐる。きみは、アルバムを捲ったときに溢れる星を集めていて、ときどき使い古したソーダ水の空瓶に詰めて、ぼくのうちまで届けてくれる。旅をしやうよ。ある日きみは、大きな鞄を持ってやってきて、唐突にそう言った。上空を、飛行機がぐうんと通った。半日もすれば、私たちもあの飛行機に乗つてゐるわ。夜になれば空には星がうんと集まつていて、絨毯にくるまれて眠るの。夢のやうな、だけど決して夢じやない世界へは、必ずあなたと行くと決めてゐたの。もうすぐ夜よ、なのに、こんなに明るい。

2021/04/23

わいほす(noririn_papa)

自らをメデューサに見立て「暗闇に目をひらきあふときのため枕辺に置く秋の眼鏡を」と闇の中で相手を見ようとしていた少女が、出産したわが子を見るため「薄明に目をひらきあふときのため枕辺に置く秋の眼鏡を」と結ぶ。「試着室に純白の渦作られてその中心に飛び込めと言ふ」など、恋愛、結婚、出産と人生のビッグイベントを迎えた歌は素直で初々しく、若い歌人かと思っていたら、自分史の短歌で晩婚と知り、初々しさは戸惑いでもあったかと読み直す。生まれたペガサスはペルセウスより手強いが、今後とてつもなく可愛い歌を詠ませてくれるだろう。

2021/11/05

ささやか@ケチャップマン

うーん、私はそこまで。短歌力の乏しい私にとってはストレートに心に入ってくる歌が少なかった。

2020/05/20

qoop

結婚、祖母の死、妊娠、出産と著者の人生が変わる時期に詠まれた歌集。大きな感情の振幅をマクロでなくミクロで伝え、情緒の機微のひだをとらえた歌はぬるめの温度感で、歌の技巧のなかに自分の人生を写す・移す過程で行われたであろう内省の強さを明瞭に感じさせる。/「引き出物」と言ひたる叔母をたしなめて会葬御礼手渡してゆく/昨日骨をつかんだだらう母の手が白いベールを整へてゐる/淡々と人は告げたり「ピコピコとしてゐる、これが心音です」/ 五音七音整はぬまま寝そべつて妊娠初期という散文期来る

2020/05/11

Cell 44

面白い歌集だと思う。特に、コンセプチュアルな仕掛けに満ちた、詞書がみな引用の「飛ぶ夢」が田中宏輔の引用詩集を彷彿させるようなスリリングな連作。ユーモラスだが水のように重たく生も死もある。

2021/04/15

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