アーのようなカー (新鋭短歌シリーズ46)
アーのようなカー (新鋭短歌シリーズ46) / 感想・レビュー
チェアー
人について描く短歌が多いなか、この作者の歌は少し人から距離を置いているように感じる。でも冷たいわけじゃない。普通はこんなふうに見えますね、でもこの角度から見たらこんなふうに見えるんですよ、という感じ。不思議な距離感が持ち味なのかな。
2019/07/27
mer
日常の隙間にひっそり存在する些細な出来事を主役にしてしまう素敵な歌がたくさん収録されている。凝った言葉を使うよりも素朴な言葉のほうがすとんと心に収まる感じがして心地よい。
2021/01/07
qoop
日常を優しく写しつつ、人力の及ばない生死の道理を冷静に詠む。峻厳なものに取り巻かれているからこそ日々の暮らしの尊さが感じられる…そんな意図が伝わってくるかのような歌集。風変わりなタイトルと表紙に惹かれて読んだが、正解だった。/路上にはネギが一本落ちていて冬の尊さとして立て掛ける/もう替えがきかぬ物のひとつとして母の手書きのかるた予備札/ハムスターの棺桶だったティッシュ箱今頃溶けている春の土手/出来立ての口紅きっとほやほやと土から出てきたミミズの温度/天国にはもういけないが町田リス園というところがあるらしい
2019/11/05
🐟🦒
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2023/05/09
トマス
「新鋭短歌シリーズ46」心に残る歌集となった。作者が短歌と出会ったきっかけは笹井宏之の歌集とのことで、ありふれた日常からひろがる優しい空想に影響が見える。小さいもの、弱いものを敏感にキャッチした歌は、見落としていた世界の輝きに気付かせてくれる。
2019/09/05
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