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かないくん (ほぼにちの絵本)

かないくん (ほぼにちの絵本)

かないくん (ほぼにちの絵本)

作家
谷川俊太郎
松本大洋
糸井重里
出版社
ほぼ日
発売日
2014-01-24
ISBN
9784865011074
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ジャンル

かないくん (ほぼにちの絵本) / 感想・レビュー

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starbro

先日読んだ「こわい絵本」に紹介されていて、谷川俊太郎原作で糸井重里も絡んでいるので、興味を持ち読みました。「こわい絵本」紹介シリーズ第六弾です。決してこわくはありませんが、生の儚さ、死の物悲しさ、人間の忘れやすさ等々、色々と考えさせる絵本です。絵の雰囲気も良く、かないくんの赤いマフラーが大変印象的です。死は終わりの始まりかも知れません。

2015/09/04

風眠

終わりは始まりで、始まりは終わり。生まれて、そして存在し、死ぬ。消えたあともその生の痕跡が残る。貼り出された絵の中に、作った恐竜の中に、写真の中に。かないくんが死んだ。けれどかないくんは生き続ける。かつて後輩だった老いた絵本作家の心に。老作家は言う「死を重々しく考えたくない、かと言って軽々しく考えたくもない」と。死を予感としてではなく、すぐ近くに迫る現実として実感するのは、自分が本当に死んでゆくのだという、その時なのかもしれない。私が死ぬ時は思い出し笑いしながら死にたい。あん時こうだったな、ふふふって。

2015/09/05

masa@レビューお休み中

生と死というものを包みかくさず表現するとしたら…このようなお話になるのかもしれない。人というものは生も死も同様にして特別なものとして描くことが多い。けれども実際は、息をすること、食べること、寝ることと同じで、すごく当たり前なことのひとつなんだと思うんだ。だから、同じ教室にいたはずのかないくんが、ある日突然来なくなり、そしてこの世を去ってしまうこと…。それも、日常の中のひとコマなのである。もちろん、小学生の彼等は驚いたり、悲しんだり、落ちこんだりはするが、それはあくまである一時期だけに起こる感情なのだ。

2014/05/28

やすらぎ🍀

私にもあった、若い頃の永遠の別れ。ある日、母の手に連れられて訪れた親友の家。たかしくんだよ。いつもと違う朝を迎えていた。そう、あの日のことを忘れることはできない。あの笑顔、あふれる元気な姿。田舎町で太陽のようだった。ときどき死を思い出すことは悲しいことじゃないと思う。こんなに心の奥から温まるのだから。大切なものをやさしくそっと包み込んで、今日も明日もざわめく空を見上げている。絵本はすぐに終わってしまうのに、何度も繰り返して読んでしまう。その余韻を惜しむように、副読本が挟まれている。いつまでも、いつまでも。

2023/08/18

gtn

かないくんからおじいちゃんに、おじいちゃんから孫にバトンが受け継がれていく。孫が「始まった」と感じたのは、そのバトンを受け取った自覚があったからだろう。これから先、死の意味を考え続けることになるから。

2019/12/30

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