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鑑識レコード倶楽部

鑑識レコード倶楽部

鑑識レコード倶楽部

作家
マグナス ミルズ
柴田元幸
出版社
アルテスパブリッシング
発売日
2022-04-15
ISBN
9784865592528
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鑑識レコード倶楽部 / 感想・レビュー

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buchipanda3

「鑑識レコード倶楽部、当店で会合、レコード3枚選んで持参のこと」。いやあ面白く読めた小説だった。音楽オタク気質に響くものがあり、何度もニヤリと。シニカルなユーモラスさも感じた。持ち寄ったレコードをパブに集ったメンバーで一緒に聴く。ただ聴く。曲の合間も無言でなくてはいけない。ストイックだ。ある意味、選んだ自己の主観を押し通しているようであり、互いの主観を尊重してもいる。そして純粋に音楽に身を捧げているとも。でも人が集まれば齟齬が生じる。厳格さと自由、倶楽部の向かう先は・・。本の装幀や付属の栞もお気に入り。

2022/05/03

R

原文で読まなくて、その内容を理解できているか自信ないんだが、連綿と続く、さして何がということもない青年たちの平凡に毛が生えた程度の日常が、目を離せなくて面白かった。人間集団のなんとかと、そういう想像もできるけど、そんな凄い問題を扱おうというものではなく、ただ、こういうことがありそうだと、それを書いているだけのような、そっけなさが凄いよかった。鑑識という単語が正しいかわからないけど、そういうレコードの聞き方について若者だからこそといえる何かがあったように思えて、とてもよかった。

2022/07/17

kazi

全然知らない作家なんだけど柴田元幸さん翻訳でピーターバラカンが帯に推薦文書いてるんだから、間違いなく面白いだろうと思い読んでみました。めちゃめちゃ面白かった!あまりに無機質で、ポストモダン的で、万人に薦めることができる作品ではないが、物語の中にツールとして無数に登場する“レコード”に触発されてページをめくる手が止まりませんでした。毎週月曜の夜、パブの小部屋にレコード盤を持ち寄り、厳格なルールのもとにただ黙って聴く。言ってしまえば本当にそれだけの話なのだが、なぜか面白い。

2022/09/06

みつ

風変わりな1冊。表題の「鑑識レコード倶楽部」とは、パブの一室を使って週に一回、各自が持ち寄るシングル版のレコード(1人3枚まで)を、感想など話し合うことは厳禁でただ聴くという集まり。話される情報は曲名と演奏時間だけで、海外ロックには全くの門外漢の自分には何のことやらちんぷんかんぷん。これで物語が成立するのかと思いきや、そのパブに別の倶楽部ができ、さらには・・・という展開。数十年前、自宅を提供して、各自がクラシックのLPを持ち寄って聴きながら飲みかつ食らう、という楽しい場を設けてくれた友人を思い出した。

2023/08/21

グラコロ

コメントしない、批評しない、引用しない、ただ音楽を鑑識的に聴くというシンプルな倶楽部なのに、めちゃややこしいことになるのはまさに英国的。リーダー(?)のジェームズの強権的な態度に反発し、告白レコード倶楽部、認識レコード倶楽部、新・鑑識レコード倶楽部が次々と派生する。マニアックなメンバーたちの譲れないこだわりのせいで分裂したけど結局…。ああ、めんどくさい(笑)。

2023/01/17

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