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沈黙の声

沈黙の声

沈黙の声

作家
遠藤周作
出版社
青志社
発売日
2017-11-17
ISBN
9784865900552
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沈黙の声 / 感想・レビュー

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優希

周作先生のキリスト教に関する文章がおさめられていました。そこには神が応えないことへの叫びが込められているような気がします。キリスト者としての聖なるイエス、母なるマリアへの声は全てのキリスト者の代弁と言ってもいいかもしれません。

2017/12/05

ネギっ子gen

70歳を目前にした著者が『沈黙』の舞台・長崎の旅を終えてのエッセイが、冒頭の「沈黙の声」。そこで以下のように書く。「おおげさなタイトルは嫌いな性格なので」、はじめ『沈黙』ではなく『ひなたの匂い』と題したが、出版側に「これでは迫力がない」と言われて、しぶしぶ改題。結果、困ったことに。読者が「これは神の沈黙を描いた作品」と誤解した。著者の意図としては、「神は沈黙しているのではなく語っている。そういった「沈黙の声」と言う意味をこめての『沈黙』だった、と。確かに、今現在に至るまで、著者のこうした意図は通じてない…

2020/01/25

kanata

『沈黙』という題は周囲の意見で、遠藤氏には他案があったそうだ。そしてその意味もまた「神の沈黙の声(語り)」ではなく「神は沈黙していた」と広く解釈の誤解があったことが悔やまれると零す。読んでいるときは、もろ解釈の誤解のほうで読んでいたので、この本で氏の意図を知る。今年は五島へと隠れキリシタンを辿る旅をしたこともあり、氏の基督教に対する感じ方に興味をもっていた(それほど読んではいないけれど)。三浦朱門との旅を日記形式で綴るページを捲りつつ、長崎がなぜ氏にとってもわたしにとっても懐かしいものなんだろうと考える。

2017/12/23

スリカータ

新刊の著者に遠藤周作氏の名前を見つけて、半信半疑で手に取った。亡くなって20年以上経つが、確かに遠藤周作氏が書いたものだった。拷問に耐えられずキリスト教の信仰を捨てた者のその後を追い、隠れキリシタン部落を訪れ、幼少期の母親との思い出を綴ったものもあり、様々な随筆の寄せ集めではあるが久々に読んだ遠藤周作氏の文章に懐かしさがこみ上げた。学生時代に遠藤周作氏の作品に嵌って、殆どの作品を読んだ。こんな形で再会出来るとは。

2018/01/02

ワッツ

沈黙の答え合わせ。1992年の復刻。名作の名高い沈黙だが著者の意図とは違ってとらえられた事柄が多く、それに対して著者が沈黙から二十数年の時を経て語る。スコセッシの映画沈黙が、驚くほど遠藤周作の気持ちを見事に捉えた映画だったのは、スコセッシがこれを手に入れていたという驚愕。発売当時は映像の方もあったというので、是非映像も復刻して頂けないだろうか。晩年に沈黙について語る遠藤先生を是非映像で見たい。

2018/05/30

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