乾久美子 - そっと建築をおいてみると (現代建築家コンセプト・シリーズ 3)
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乾久美子 - そっと建築をおいてみると (現代建築家コンセプト・シリーズ 3) / 感想・レビュー
TAKAMI
乾久美子のコンセプトシリーズ本。解説で藤村龍至も述べているけれど、本書は「設計趣旨」が書かれているわけではない。各々のプロジェクトにまつわる施主や敷地や生活スタイルの空気感をあぶりだすような文章が続く。そして乾の述べる「なにかを表現しようとしているわけではなくて、建築に表情を与えようとしている」という言葉の感覚を少し掴むことができる。なんというか、空間に対して正直で誠実な姿勢を感じられて、今まで自分が設計演習なんかで述べている偉そうな言葉が非常に暴力的だと感じられて、反省しました。はい。
2016/10/09
どぅまち
建築を「作る」でなく、「おく」が示唆することとは。あちらを立てればこちらが立たずというのは建築でもよくある話で、そういう意味では世界は調和できないのかもしれない。しかしそこで思考停止するのでなく、一種の仮説を「投げ込む」ことで、周囲を間接的に変えていける存在としての建築というあり方が見えてくる。建築が周囲を圧する時代は終わったといわれて久しいが、だからこそ建築のあり方は深く議論されてしかるべきだと強く感じた。
2015/12/31
Kuliyama
いろいろな建築の考え方が面白かったです。読みやすい文章です。
2014/06/05
gurugurupa
乾さん独特の魅力あるリズムや言葉によって、設計の際に考えていたことや建ってみてわかったことが語られる。そっと建築をおいてみる、という方法?は熟慮されたうえで選ばれているが、とても知的なアプローチであり、筆者の建築が好きだということと、それへの真摯な姿勢が伺えるものであるように感じられた。
maharasa
読み終わっての印象は、乾さんは建築をグラデーションで作っていくかのような印象を得た。敷地と明確に切り離すのではなく、建物をグラデーションの中にうまくはめ込める事が出来る、そんな敏感な感覚の持ち主であることがうかがえる。
2009/04/16
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