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女王の肖像−−切手蒐集の秘かな愉しみ

女王の肖像−−切手蒐集の秘かな愉しみ

女王の肖像−−切手蒐集の秘かな愉しみ

作家
四方田犬彦
出版社
工作舎
発売日
2019-10-29
ISBN
9784875025139
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女王の肖像−−切手蒐集の秘かな愉しみ / 感想・レビュー

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へくとぱすかる

レトロと思えるが、けっして浅薄ではない。著者の趣味は筋金入りだ。内容は、一般的には、ほぼ知られざるエピソード。ありがちな概論的な話は意図的に避けられているようだ。それだけに、凝りまくった装丁は、全く伊達ではなく本書にふさわしい。19世紀にできた近代郵便制度とともに郵便趣味もはじまり、時代の流れを敏感に反映してきた。ところが時代に敏感なことが、郵便趣味をレトロに思えるようにしてしまった。ブームが去って落ちついた趣味に戻ったとも言える。小さな紙片だが、そこに秘められた魅力は尽きることがない。

2020/10/25

みーまりぽん

御多分に漏れず少年時代にはちょろちょろと切手を集めておりましたがマニアには至らず真っ当な人生を歩んでいるみーまりぽんにして一気読みの面白さでした。世界最初の切手商ギボンズ商会にて世界最初の切手ペニー・ブラックを選ぶ、といふ話で始まり、ペニー・レッド175周年記念小型シートで締め括られる切手蒐集エッセイ集。「巨大な巻紙」で紹介されるような、切手で埋め尽くされた紙を、祖父の遺物だと3枚ほど親からもらった記憶と繋がり感慨深し。そして偶々最後にした「自分で切手を造る」が、ドナルド・エヴァンズ章で「おぉ!」と読了。

2024/01/20

パトラッシュ

著名人が自分の趣味について書いた本は評価が難しい。自慢話や商売本の可能性があり、読むだけ損になりかねないからだ。しかし本書は心から切手を愛する四方田さんが切手を通じて様々な出会いを重ね知識を得ながら成長していく自伝でもある。特に切手から中ソの政治や英仏の植民地主義を学んでいく過程は面白い。たかが切手、されど切手というところか。ちなみに私のストックブックでいちばん興味深いのはパリの切手市で入手したナチスドイツのヒトラー切手とサンクトペテルブルクで買った旧ソ連のスターリン切手に花の絵柄が美しい北朝鮮切手です。

2019/11/27

イコ

切手集めは夏休みの自由研究でやってみて、良さが分からず終わったので興味は無かったのだが、こういうマニアが書く本は面白く読めた。切手から世界を俯瞰した視点を感じられて、権威発揚とかにも使われていたんだと感じる。日本が天皇を切手にしなかったのは、他の国の権力者達とは一線を画しているところなのだろう。

2020/05/10

古本虫がさまよう

父親は大学時代に共産主義思想に共感を抱いたとのこと。でも自動車会社に就職してからは資本主義者となり、輸出課長として東南アジアの都市をめぐり、バンコクと北京には長期滞在もした。それもあって、郵便などのやりとりを当時はやっていて、海外だと高額切手を利用することになり、著者が切手蒐集をしだしたと知ると、その切手のついた封筒を渡してくれるようになったという。そういう海外の切手の蒐集をやり、国内切手も発売初日に郵便局まで出掛け、記念印を押してもらったりもしたそうな。それも小学生の時から。本格的マニアの趣味自叙伝。

2020/01/06

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