日本の名随筆 (8) 死
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日本の名随筆 (8) 死 / 感想・レビュー
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テーマは「死」。野坂昭如編集。正岡子規「死後」(ユーモラスに死後を夢想)。幸徳秋水「死生」(死刑の前に記す)。野上彌生子「芥川さんに死を勧めた話」(貧乏な芥川にお金のために自殺をすすめたエピソード)。芥川龍之介「或旧友へ送る手記」(自殺について。芥川は表象不・可能な死を前にして綿密・姑息に逃げたんだと俺は思う)。川端康成「末期の眼」(芥川への冷たい視線)。梶井久「臨終まで」(梶井基次郎が死ぬ様子を母が実況中継)。石川淳「太宰治昇天」(当時の情死報道の胡散臭さと世間に対する石川の激昂)
2009/08/25
あおい子
【図書館本】『死』をテーマにした随筆を取り扱った一冊。芥川や太宰などの「作家の自殺」についての話が大好きなのでそのあたりに触れている文章は楽しく読めました。
2015/05/21
がんぞ
日本人に執筆者を限ると戦闘死、収容所死、困窮死が少ないと感じる。編者は「焼跡闇市派」と呼ばれる世代。巻末には癌死の苦痛についての戯文よりも名作『火垂るの墓』を置いてほしかった。この本は30年前だが、現在では医療モルヒネにより終末期の苦痛は軽減され意識は混濁するらしい╱「ぼくの歳になると同年の知人縁者がどんどん死んでゆく」「初老性ウツの兆候か」と書いた編者ならずとも死の受容は前後期高齢者の課題だが、野坂は現在連載中の『だまし庵日記』では死を意識すると性欲が亢進するのか、事実と思えないほど淫行を繰り広げている
2012/01/20
モフモフサン
図書館で。個人的には石原吉郎の「確認されない死のなかで」がいちばんよかった。シベリア抑留を経た人だという。「大量死」のなかで個人の名前が失われることに対する思い、死者に生者は何の意味付与もできない旨の記述に共感する。 「峠三吉の悲惨は、最後まで峠三吉ただ一人の悲惨である。この悲惨を不特定の、死者の集団の悲惨に置き代えること、さらに未来の死者の悲惨までもそれによって先取りしようとすることは、生き残ったものの不遜である。それがただ一人の悲惨であることが、つぐないがたい痛みのすべてである」
2013/09/08
ちゃーりー
正岡子規、幸徳秋水がよかった、刑死を目の前にしての幸徳秋水の生死観に一考。
2017/07/29
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- 出版社
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- 発売日
- 2019-11-01
- ISBN
- 9784865282511